あの駄菓子屋の風景が帰ってきた!
もっと心にしみる育成ゲーム『昭和駄菓子屋物語2』
前作
『昭和駄菓子屋物語』や
『昭和夏祭り物語 ~あの日見た花火を忘れない~』などの昭和シリーズのファンにはおなじみとなった駄菓子屋や古い昭和の町並みが舞台となった本作の詳細を紹介しよう!
目次
あの頃の駄菓子屋さん
時は昭和、東京タワーができて、家庭にはテレビが普及し始めたくらいの頃。
三丁目に夕日が沈んでしまいそうな気配に包まれながらゲームを起動したら、おばあちゃんといっしょに駄菓子屋を繁盛させて行こう!
「懐かしい!」と思う読者もいる反面、「昔の駄菓子屋さんのお菓子ってこんななの?」と思う若い読者もいると思うが、駄菓子屋はやたらと酸っぱい「すもも」だったり、水分と同時に命を奪おうとする「粉末のラムネ」だったり、隣の小学校のガキ大将とのエンカウントだったり、お父さんとお母さんの子供の頃の社交の場だったのだ。
本作では駄菓子屋さんの周辺を訪れるオトナも登場するので、ぜひ当時に思いを馳せながら遊んで見てはいかがだろうか。
お客が来るとこんなに賑やかな店内に。
「居間へ」で店主のおばあちゃんが暮らしている(?)ちゃぶ台の風景もゲーム内では見られる。
遊び方
まずは
「仕入れ」で品物と時間を指定して、駄菓子屋に商品を並べ、商品を買いに来るお客さんや、訪れるお客さんがもたらす懐かしい
「売り物」や
「思い出」を収集していこう。
タイプとしては過去GAGEXが出している昭和シリーズと同じ、放置ゲーム+収集+物語となっていて、集まってくる
「お客」やそれぞれの品物は
「図鑑」に記録が残っていくのだが、これがどれも中年の心に突き刺さる…!
「お店」を拡張していくと仕入れられるものが変わってきたりするのだが、訪れる
「お客」にもちゃんと仕入れの好みがある。また、
「曜日」によっても「お客」の活動時期が違うのか、来店する「お客」がちょっとずつ変わっていく。
お店の
「小物売り場」の拡張で「女の子セット」が仕入れられるようになったり、「マニアグッズ売り場」の拡張で「大人買い推奨」等様々な仕入れがあるのだ。
「図鑑」を見ながら、「次は
『プラモ祭り』開催だ!」なんてお店の売り物の組み合わせを考えるのも楽しい。
さらに、
「お客」を集めていく過程で
「居間」から出現する
「思い出」の品を集めていくと、そのうち少しずつ青色の「ガチャ」コインが溜まっていく。早速そのコインでガチャをまわすと……
ガチャを回して出てきたものが
「砂」!!
駄菓子屋の前においてあったやや調子の悪いゲーム機に並んだり、商品の入れ替えがやや怪しいガチャガチャを遊んだことのある読者ならこの悲しみが伝わるだろうか。
スマホゲームなら合成素材にな……いや、なんでもない。
他にも
「月の石」などジワジワ来るアイテムが多数出現する。大人気アニメのレスラーが模された
「超人消しゴム」だったり。
やはり曜日によって出現するガチャの商品ラインナップが違うので、コインをためて懐かしさでしめやかに爆散しよう。
おばあちゃんと人間模様
さて、本作の特徴として、時折届く
「手紙」で物語が進行していく。
プレイしていると手紙が届いたよ的な通知であったり、店番のおばあちゃんが手紙を持っている素振りを見せるので、早速開いて開いて読んでみよう。
ここではネタバレになってしまうので、内容については深く言及できないが、どうもおばあちゃんは複数の人物と手紙をやり取りしているようなのだ。
おばあちゃんにまつわる人間関係が戦争中の疎開の話から少しづつ始まり、自分の子供(太郎)のことをずっと気にかけている。
現在進行形で太郎している筆者としては心臓の裏側からイヤーな汗がじっとりでてしまったり
「お前何おばあちゃんに迷惑かけてるんだよ!!」と思ってしまうような展開もあるが、最後はほっこり路線に戻るはずなので、是非最後までおばあちゃん一家の物語を追ってもらいたい。
時代が変わってもきっと今もどこかに「太郎」や「おばあちゃん」はいるけれど、昭和という世間が狭くお互いの距離がまだ今よりもだいぶ近かった時代の一家の行く末をプレイを通して見守ろう。
なお、本作で取り上げられている駄菓子はすべてがおいしかったかどうかは正直思い出補正もあるが、いまでもにまれに駄菓子を扱っているコンビニやお店があったりもするので、本作を遊びつつ、ぜひ見かけたら食べてみてほしい。
駄菓子のしょっぱさや酸っぱさが、ちょっとだけ心に染みる。そんな大人に君もなるのかもしれない。