2017年版企業訪問シリーズ!ゲームドライブではきたる6月3日(東京)および6月17日(大阪)開催の
『ゲームスタジオ合同説明会2017春@東京・大阪』に向け、説明会に参加される企業様へインタビューを行ってきました。各企業の社風や社長の人柄など“普段”の風景を本稿ではお伝えして行きます!
東京版合同説明会へのお申込みはこちら→第6回ゲームスタジオ合同説明会2017春@東京
大阪版合同説明会へのお申込みはこちら→第6回ゲームスタジオ合同説明会2017春@大阪
今回は
『サモンナイト』『ネプテューヌ』シリーズなどの開発を行う
FELISTELLAさんです。
インタビュイー:
FELISTELLA株式会社
代表取締役社長 木下 貴之氏
インタビュアー:
株式会社シフォン
代表取締役副社長 末広幸子(編集部:ミツヅノ)
企業情報
会社名:FELISTELLA株式会社
従業員数:12名+猫一匹
男女比:3:2
主な業務内容:ゲーム制作(主に家庭用)
制作実績:「サモンナイト3」「サモンナイト4」(リメイク版)、「サモンナイト5」「ネプテューヌ Re;Birth シリーズ」「超次元大戦 ネプテューヌVSセガ・ハード・ガールズ 夢の合体スペシャル」「限界凸旗 セブンパイレーツ」…等
会社所在地:岐阜県岐阜市水主町1-176-2 ピースランドビル 2A
(
Google Map)
最寄り駅:JR 岐阜駅または名鉄名古屋本線 岐南駅
創業:2010年7月
ホームページ:
http://felistella.co.jp/
自己紹介
代表の木下氏と猫の本部長(ぶちょう)。
ミツヅノ:本日はよろしくお願いします!まずは創業の経緯をお伺いしたいのですが、事前に来る前に他社さんでやられていたインタビューを拝見していまして。もともと木下さんがの前職の
フライト・プラン社さんに在籍されていたスタッフの方たちが集まって、創業されたんですよね。
木下氏:はい、その当時のスタッフをベースに立ち上げました。
ミツヅノ: 立ち上げ後、
「サモンナイト」シリーズをバンダイナムコさんと一緒にやられて、その後も続けて得意とされているSRPG(シミュレーションRPG)を出し続けておられるっていうところですよね。元々ずっとコンシューマー畑が長かったと思うんですけれど。
木下氏:ええ、今も基本的にはずっとコンシューマーのお仕事を続けていますね。
ミツヅノ:続けて、木下さん自身の来歴というか、ゲーム業界に入ったきっかけと経緯を教えていただいていいですか?
木下氏:前職は
全然違うプログラムの仕事をしていたのですが、ずっとゲームは好きで個人で作ってたんです。ある時に、前職のフライト・プランに応募して、気がつくと業界の棺桶に入ってる…、片足突っ込むつもりが、もうずっぽりゲーム業界に入っちゃっていました(笑)。
ミツヅノ:それまでのプログラマーの仕事もありつつも、異業種に転職までしちゃうって相当好きで好きでたまらなかったんですね。
木下氏:そうですね(笑)。ものづくりが好きだったのと、
たまたま地元の会社の近くで、フライト・プランが募集していまして。趣味なら仕事にしちゃえばいいかって形で。
転職後、ゲーム業界での一番最初の仕事はPCエンジンからですね。プログラマで入社してプレイステーションくらいまでは現場に入ってました。そこから後はディレクションという形で、
ずっとRPGばっかり専門でやっていますね。
※その他FELISTELLAとしては「ネプテューヌ Re;Birth」「超次元大戦 ネプテューヌ」などシリーズの制作にも関わっているが、詳細は
製品情報ページから参照してもらうと良いだろう。
開発スタジオとしてのこだわりについて
ミツヅノ:事前に教えていただいたアンケートで書いていただいた、社員数12名の内訳ってどんな感じですか?
木下氏:プログラマーが3。企画、ディレクションが今新人入れて4。デザイナー3。その他ですね。
ミツヅノ:プログラマーさんは基本的にUnrealがメインだとか、Unityがメインだとか、エンジンを使って開発されたりしていますか?
木下氏:うちは
全くそういったエンジンを使っていないのです。フルスクラッチで開発していますが、移植などの際にはネックになることがありますね。
あと、エンジンの使いこなしの期間とプロジェクトの期間を考えても、今までの開発ではそこまでコストの圧縮ができないという事情もありました。
ミツヅノ:なるほど。そのパターンだと必ずしもエンジンを使うことが有利にならないわけですね。次に、開発スタジオとしてのこだわりっていうところで、
「チームで協力する」と「ゲームとしていいかどうかの判断ができること」って書かれてるんですけれど、例えばどういうところでしょうか。
木下氏:「チームで協力する」と言うのは
これは僕の仕事、私の仕事ってきられてしまうと開発がなかなか進まないというか。開発はいろいろやらなきゃいけないことが出てくるので、気が付いたら自分でこれやるよと、やっておくよということができないといけないかなと。もう一つ、
「ゲームとしていいかどうか」っていうのは、絵としては綺麗、プログラムは技術的にすごい、でもゲームとしてこれダメだよっていうのはあると思うんですね。そういうことが判断できる人になって欲しいなって。
ミツヅノ:その為に何か工夫してることとか、注意してることとか、何かあったりしますか?
木下氏:逆にうちのスタッフがそのあたりは私以上にできているので、私から何か言うこととかはないですかね。どちらかと言うと、
技術とかだけではなくて、入っていただく時に相性とか人柄を重視してます。
例えば入社の時点でもあまり仕事を限定しすぎずに、担当以外の場所のお手伝いとか、雑用やお掃除みたいな
ちょっとしたことから「これ手伝って」とか、なんでも気軽にお手伝いお願いしてる。自分の仕事を限定してしまうような、そういう空気にならないようには気をつけてます。
ミツヅノ:自然とできているのはすごいですね。こういう小さな用事のお願いから何から、諸々もあって、自分達で率先して気をつけていくことも仕事に自然と含まれているのかもしれませんね。
ちょっと話を変えて、
岐阜の住宅事情ってどうなっているんだろうと思って、聞いてみたら皆さん割りと徒歩や自転車で来られる方も結構多いって伺いましたが、お昼とかってみなさんどうされてるんですか?
木下氏:会社の中で食べてます。飲食店がほとんどないので、朝来る時に自分でコンビニとかで買ってきたり、近くのスーパーで買ってきたり。
都市部に比べるとどうしてもお店の数は少ないので、打ち上げとかも会社の向こうの会議室でやっています。
よく宴会どこでやってるんですか?って聞かれるんですけれど、お寿司とかケータリングとったりとか。
忘年会は、私とか副社長が鍋作ったり、たこ焼き作ったりして食べてもらうみたいな感じですね。
買い出しまでは現場にお願いしてますけれど、調理は私達がそういうことをするのが好きなのでやっていますね。ただ、スタッフの好き嫌いもあるので、そのあたりも考慮しつつ。
ミツヅノ:他社さんのインタビューも読んでから伺っていたのですが、木下さんが社員から見て「お父さん」的だと表現されていたところがなんとなく伝わりました(笑)。木下さんだけでなく、みなさまで自分たちのできることは基本的に全部中で賄うようにしておられるんですね。
ルールの少ない会社?
木下氏:会社は一応
11時からコアタイムスタートですけれど、9時に来てるスタッフもいるしギリギリのスタッフもいますね。
うちはルールがあんまりないんですよ。
お昼休みも一応
時間の決まりはあるけど、そんなに厳密ではなくて、お腹すいたら食べて、バグ取れたら食べて、という感じで。業務中の飲食も制限していないです。
お昼も向こうの部屋で(開発部屋が2部屋ある)ゲームやってるのと、こっちでスマホで遊んでるのとか、いろいろチームでバラバラですけれど。
逆に私が「どうこうしないさいよ」ってないですね。
ミツヅノ:なるほど。チームビルディングだったりとか、社員間のコミュニケーションというとちょっと構えた感じになってしまいますが、フェリステラさんの社内では自然にそこも普段のやり取りでまかなっている感じですね。
他にも人の管理のところで、事前アンケートで
年1回の面談と毎週の定例会議をやられていると書かれていますが、これ毎週の定例会議は全員参加ですか?
木下氏:
全員です。新入社員もいれて私達からの報告もそうですし、各現場の報告とか。全部共有してしまって。特にこれは話さないとかはないですね。
数字的な話や受託案件の状況も新人さん含め、伝えています。
ミツヅノ:「こういうふうな仕事が取れてるんだ」、「こういう費用感なんだ」みたいなところも教えるんですね。
木下氏:そうですね。お金の感覚を持って欲しいので。あと、開発タイトルの情報も定例会議で共有します。
ミツヅノ:他にも、それ以外に勤めている社員さんのご本人の事柄については年1回がっつり面談する。
木下氏:目標の設定と確認がほとんですかね。来年どうしたいの?って話とじゃあ実際どうしようっていう話ですね。
社長のお仕事と、猫の「ぶちょー」?
ミツヅノ:事前のアンケートでお聞きした社長のお仕事の中で気になった回答が、
「おやつの補充」と「猫」。
木下氏:おやつは私が買って置いておくのが大事なお仕事の一つです。
ミツヅノ:絶やさないように。
木下氏:今日も補充したんですけれど。甘いものがきれてたらしくて、煎餅しか残ってなかった(笑)。
いろいろなるべく飽きないように買っておくんですけれど。煎餅とか、あられ系が残る傾向があって、バームクーヘンとかは瞬殺でなくなるんですけれど。
開発部屋が2つあって、今現在引っ越ししている最中ということもあり、向こうは女子だけの部屋なんですけれど、女子だけの部屋は本当に甘いものがすぐなくなるので。
▲2部屋のうちの片方のおやつ棚。
なんとなく親戚の家に来た気分になる。
あと、猫は、弊社の特徴的なところで
猫の「本部長(ぶちょう)」がいます。
ミツヅノ:普段ってぶちょうは社内をウロウロしてたりするんですか?
*本部長(ぶちょう)…フェリステラ社所属の社内猫(女の子)。社員のメンタルケアと癒やしを主に担当し、おやつを食べて気ままに過ごすことをなりわいにしている様子。
木下氏:
猫が好き勝手、猫が一番優先です。両方の部屋行ったり来たり、ドアの前でにゃーにゃー鳴いてるんで、向こうに行きたいねって連れてきたりとか。
あとは、定例会議で東京とテレビ会議してる時ぶちょうも来るので、机の上でじっとしなさいって抱えられたりして。
ミツヅノ:一応社員としてぶちょうも出席するんですね。
今お世話はどなたがメインでやられてるんですか?
木下氏:基本的には平日は会社にいて、土日だけスタッフが一緒に自宅に連れて帰ってます。
ミツヅノ:やっぱり第一飼い主みたいな社員さんがいらっしゃるんですね。
他にも、その週末の過ごし方以外に生き物なので病院に連れて行ってあげたりとかトイレのお掃除だったり、ご飯だったり色々なお世話があったりすると思うのですが、タイミングによって他の社員がお世話に参加したりするんですか?
木下氏:ええ、
猫ポイントというのがあります。
お手伝いやお世話をしてくれた人にポイントをためて、ちょっとしたご褒美的なことをしたりとか。そうすると
「ポイント貯まるしトイレ汚れてきたから掃除します!」ってなるんです。
ミツヅノ:おおお、猫にも優しく、社員にも嬉しい!上手に運用されているんですね!
他にも、癒やしの要素としてマッサージチェアとかもあるんですね。
木下氏:
電動マッサージチェアがあるのですが、そこで寝てるとたまに猫が乗ってきます。特定のスタッフのみですが。
▲このマッサージチェアに乗っているとぶちょうが来ることもあるという。最高じゃないか!
社員から見たFELISTELLA&社長の姿
▲左奥から3Dデザイナーの村田氏、ぶちょう、アシスタントディレクター常磐氏。
ミツヅノ:社員さんと一緒に、猫のぶちょうを連れてきていただきました!
(このあと、ぶちょうもしばしお二人のインタビューを見とどけた模様)
お二人ともお仕事中お時間ありがとうございます。
3Dデザイナーの村田さんとアシスタントディレクター常磐さんですね。よろしくお願いします。
村田・常磐:よろしくお願いします!
ミツヅノ:それぞれFELISTELLAさんに入社した時の経緯を簡単に教えていただけますか? では、村田さんからお願いします。
村田氏:専門学校時代、木下さんのゼミの生徒だったんです。授業内でゲームを制作するゼミだったんですけど、その中で
木下さんの仕事観を聞かせていただいて。
「この人と仕事をしたい!」と思い、今に至ります。
木下氏:私全く応募すること知りませんでした(笑)。
ミツヅノ:じゃあ特に先に「行きたいんです」みたいな相談があったわけではなく?
木下氏:どこの会社受けるんだろうなって思いながら、私は何も知らなくてまさか、うちの会社を志望してるとは、これっぽっちも知らずに。
村田氏:やっぱり社長だったので、社長に「行きたい」なんて言ったらいやらしいかなと思って。
ミツヅノ:なんかすごく奥ゆかしい感じ!ありがとうございます。続けて、常磐さんお願いします。
常磐氏:ほとんど同じ経緯なんですけれど、僕の場合はゲーム制作の授業でいろいろな分野の仕事をしていたんです。そんな時、木下さんからインターンシップのお声が掛かって。
実際にインターンをやってみて、この会社いいなあ、こんなところで働いてみたいなと感じて、この会社を志望しました。
ミツヅノ:次に、入社したあとのお話を少し伺いたいのですが、実際、
会社というかゲーム業界に就職してみてお二方なんか思ってたの違うとか、実際働いてみてこうだったみたいなところって、なんかありますか?
村田氏:会社に入るまでは、ゲームを作っている方達ってなんだか雲の上の存在というか…
よくわからないけど、とにかくすごい人たちという印象で自分はそんなすごい方たちと一緒に働けるのか、すごく不安だったんです。
でも、業界に入ってみたら割とふつうに受け入れていただけたな~という感じです。
常磐氏:結構家族みたいな感じというか。
村田氏:
アットホームな。みんなでゲームやりながら、ご飯食べたりして。
ミツヅノ:みなさん和やかに過ごされているんですね。
お二人から見て木下さんって、どんな人物ですか?
村田氏:こんなこと言っていいかわからないんですけれど、優しいお父さんみたいな感じです。それは満場一致でみんなそうやって言うんで。
見守っててくれるというか、お菓子もたくさん。
ミツヅノ:はい、伺いました(笑)。女性部屋のお菓子がすごいなくなるっていう話を(笑)。お仕事で、特別意識して行っていることありますか?って木下さんに聞いたらおやつの補充って。
村田氏:大事なことです。
木下氏:甘いものの犯人ですから。一番前で食べる。
村田氏:違う部屋のお菓子も減ってないようでしたら、私がこうやって(ひょいぱく、と食べる仕草)。
ミツヅノ:今のはわりと木下さんのお人柄というか、人間としての木下さんがお父さんっぽいって話だったと思うんですけれど。
お仕事の上で接する機会ってあったりしますか?
木下氏:イベント事とかで接することが多いです。
会社説明会連れて行ったりとか。私が別に動いている活動があるので、そっちのゲーム業界の方の活動に連れていったりとか。
ミツヅノ:会社の自分達からすると、会社の中なんだけれど、お父さん(木下さん)は外に打ち合わせに行ったり、みんなとは少し違う仕事をしていて、帰ってくる時にお菓子をいっぱい持って帰って来るみたいなイメージです。ここだけ聞くと、まだ就業経験がない読者の方だとまだ想像がつかないかもしれませんが。
実際外で活動してる木下さんご覧いただいてお二人はどうですか? やっぱり先生の印象が強いから、そこはやっぱりそのまま。やっぱり先生なんだなみたいな、そういう感じだったりするのかしら。
常磐氏:いろんな会社の人と話されてるのを見ていると、やっぱり木下さん社長なんだと、改めてそう感じます。
木下氏:多分他社さんの社長みたいに、ぐいぐい引っ張っていくタイプでは私はあまりないんですね。
どちらかというと、社員自身にやりたいことがあると、ちょっと頑張んなよって後ろからのそのそやるような感じなので。
ミツヅノ:子どもたちの背中を押すタイプですよね。そのへんがお父さんなんでしょうね。子どもたちの自主性に任せるところは任せて。
木下氏:しんどいことがある時はご飯で手をうとうか。
イベントのお手伝いをしてもらった時は、そのついでに一緒にご飯を連れて行ったり。
村田氏:私と常盤は結構な頻度で社長に同行させていただいて色々なところに連れて行っていただいています。もちろん美味しいごはんにも。いつもありがとうございます(笑)。
ミツヅノ:いいですね。ご飯もですが、若いうちからいろいろなものが見れて、外に出られると。
村田氏:
違う会社の方と触れ合う機会があっていいですね。うちとはこんなに違うんだなと、こういう方がいらっしゃるんだなとか。すごく勉強になるので、木下さんにはとても感謝しています。
社員から応募者へのメッセージ
▲午後イチで取材へ。
資料類や備品などは棚にまとめて置かれている。
▲所々に猫の痕跡が。
右側の机は木下氏の机。
ミツヅノ:実際入社してみて
何か苦労したこととか、あと学生の時にこれやっておけば良かったなみたいなことって、何かお二方あったりしますか? あとは、逆に学生時代にこれやってて俺良かったなっていうのが、もしあれば。
村田氏:私は時間がたくさんある
学生時代にもっと旅行に行っておけば良かったかなと思いました。旅先にはいろいろ個性があり、様々な人と出会うことで吸収することがたくさんあると思います。
人間的にも、デザインをする上でも引き出しが増えると思うので。
ミツヅノ:旅行か…! 見聞を広める感じですね。多分、RPGみたいなもの作ってたりすると、あれって街作ったりとか、歴史がある何かを舞台にすることもするだろうから、確かにそれは必要になるんだろうなって、今聞いて、なるほどなって思いました。常磐さんの方はいかがですか?
常磐氏:通っていた
専門学校にはたくさんの機材があったので、それらを使ってあらゆることに挑戦して、もっともっと経験を積んでおけばよかったなと思っています。
ミツヅノ:そのうちお仕事でも、必要に迫られてチャレンジしたりする時がくるかもしれないですもんね。
お二方とも、お仕事中ありがとうございました! ぶちょうもお昼寝中ありがとうございました!
一緒に働きたい人物とは?
ミツヅノ:再び木下さんのターンに戻ってまいりました。
今回、会社として採用したい職種はどの職種でしょうか。
木下氏:いい人がいれば、
職種にこだわらず採りたいなというのはあります。
ゲームでこんなことしたい、ああしたい!っていっぱい思ってる方がいいですね。あとは、年齢層的には、
今は新卒採用を強化しています。
上の年齢のスタッフが多いので、ちょっと社内的なリフレッシュもありますね。若い方にやってもらうゲームを作るのには是非若い方の発想が欲しいですし。
ミツヅノ:今もシミュレーションものはありますけど、今のゲームを遊んでいる若い世代の人たちだと、コンシューマーにあったようなガッチリしたシミュレーションより、戦略を練る系の遊びだとカードバトルとかいわゆるソーシャルゲームが結構広く遊ばれているような印象ですね。
木下氏:今どきはゲームハードを持っていない学生さんもいらっしゃいますし。
私たちはそういった遊び方が変わってきている世代に向けて出していかなきゃいけないので、若
い感性やアイデアに味付けして、年長のスタッフは上手く利益に繋いでく考えをもってもらいたいですね。そして
両方ともちゃんと役割が持てるようにしたい、持ちたいなって。
入社3年以内の若いスタッフは3人ほどで、年長の方は業界歴20年クラスのベテランとかいますので、そういうベテランスタッフも若手に対してのやり方を慣れて欲しいというか。今の若い子の遊びはこうなんだってわかってもらう為にも
両方の世代でものを作っていきたい。
先程のデザイナーの村田は2年前に入って3年目、アシスタントディレクターの常磐は今年(2017年新卒)入ったばかりで少し社内が若くなりました。
ミツヅノ:アシスタントディレクターということは、いわゆる企画ではないんですね?
木下氏:企画じゃないですね。私が専門学校の授業でゲーム制作を担当していた時に、常磐の動きが気になりまして。
デザイナー学科出身なんですがデザインじゃなくてなんか違うこといろいろやってるんですよ。スクリプト組んでたりとか、ホワイトボードに表取りまとめたりだとか、「萌え」のポイントまとめてたりだったりとか。そういう子がいるってスタッフと話してたら、是非会ってみたいっていうことでインターンに来ました。
その後、インターンを経験して双方良さそうじゃないか、というところで内定を出させていただきました。
ミツヅノ:デザイナーでの就職じゃなくて本人もOKだったんですね。最初からアシスタントディレクターって珍しいなと思いました。
木下氏:本人自身はいろいろ経験したいようですので、買い物に連れて行ったりだとか、いろいろな雑務も経験していますね。
見た感じはおとなしそうな印象でしたが、おそらく
自分の担当じゃなくても、問題が起こってるからやろうって思ってる子だと思ったんです。
ミツヅノ: 必要な時に必要なところにパッチを当てられるというのも、チーム的には大事な存在ですよね。
▲マスコットキャラクターのステラちゃん。
社名の「FELIS」はラテン語の「猫」に由来するが、そのせいか少し猫耳っぽい姿をしている?
インターンから採用、入社後の流れ
木下氏:うちは
必ずインターンを実施しています。
1ヶ月間うちの会社に来ていただいて、みんなと一緒に仕事をして、双方良ければ内定を出すようにしています。
遠隔地からも採用活動はしていますが、
遠隔地の方に関しては、インターン中支度金という形で滞在する費用(マンスリーマンションを借りるくらいの費用で)出すっていう形にしています。
基本、
インターンは勉強の期間でもありますが、会社の雰囲気や空気を感じて、自分の将来を考える期間だと思いますので、しっかり考えてからきてくださいねと。ちゃんとスタッフの仕事や、会議に参加して自分の目で会社を見て、こんな人間になろうという目標をもって入ってもらった方が、ミスマッチが少ないのかなと。
ミツヅノ:インターンで双方OKだった方であれば、そのまま採用にいくっていう流れですか?
木下氏:学校によってはそのまま内定後にアルバイトや業務時委託に切り替えて就業って形ができる学校さんもあれば、あとは学校によっては3月までは授業出てくださいっていう学校もありますね。
お互いインターンに来ていいなって感触があったらまず学校に連絡して、先のプランが大丈夫か確認をします。
ミツヅノ:ありがとうございます。次に、新卒の方が2年目3年目になってくと業務がどんなふうに広がっていくか教えていただけますか。
木下氏:うちはやれることをどんどんやってもらおうと思ってまして逆に会社側が本人に対してこうしていきなさいっていうのがあんまりないんですね。
適性があればいろんなことをやってみてという風にしているので、その中で向いていることがあれば伸ばしていければなという。
ミツヅノ:例えばですけれど、人によってはもしかして2Dで入ったけれどいろいろいじっているうちに3Dに転向したりとか、そういうこともありますか?
木下氏:まさに先程のデザイナーの村田がそうです。
学生時代は全く2D専門でしたが、入社後に3Dにチャレンジをしまして、今では両方の仕事をしています。
ミツヅノ:技術的なことを嫌がらず、ツール触ってて覚えちゃったんですね。
木下氏:そうですね、最初にチャレンジする心はいりますが、やってもらって、意外と本人もできるんだなっていう感じで。
応募者の方へのメッセージ
ミツヅノ:他にも、何年か前の合同説明会で冒頭の企業紹介のとき、一緒に登壇された時に木下さんだったと思うんですが、「会社に変人の人がいっぱいいます!」みたいな話を確かされてた気がします。それが印象に残ってて。どういう由来からそうおっしゃったんですか?
木下氏:変態さん募集って言うこともありますが。
ものづくりをする時、自分これ好きです!っていう情熱をやっぱり持っててほしい。特にゲームに関しては好きなゲームがないと、なかなか続けられないかなっていう。あとそういうものを好きと思うお客さん(でいるときの自分の)目線も必要かなと。
テストプレイでも、何でも、遊んでいて「これ自分だったらこうするのに」っていうのを持って欲しい。成績はあんまりよくないですが、これだけは負けませんとか、そういう気持ちがあっても良いのではないかと。
ミツヅノ:形になる前のゲームだと「この作りでいいのかな」とか技術的に解決しないといけない課題とか、楽しい仕事ではあるけど悩むこともしんどいこともあるからこそ、ですよね。
木下氏:好きなことがないと、ゲームの仕事が作るだけになっていますしね。
ミツヅノ:本当は、ここですごく色々ゲームバランスを作る上だったり、初見でもつまづいたりしないようにゲームに様々な配慮をしているところも伺ったのですが、そういうところも調整や設定、データを作るのにかなりの時間がかかる&適切な調整をしてくのが手間になるけど、その分とても大事な部分だと思います。
木下氏:はい。一回設定して終わりじゃなくて、いろんなプレイのやり方をするお客さんがいらっしゃるので、自分でやるときには女のコだけのパーティーでもクリアできるか、とか気にしています。実際はゲームを作っていく上でこだわるところはこれだけではないのですが、その時間や手間も含めて、心の支えにして楽しく作り続けるために、物作りに対して熱いこだわりを持っていてほしいですね。
ミツヅノ:戦略性が問われるシミュレーションだと、プレイヤーも考え抜いて遊ぶ方も多いと思うので、そこはより開発者の人たちが手をかけてくれることで生きてくることもあると思います。
本日は貴重なお話ありがとうございました!
木下氏:ありがとうございました!