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ゲーム業界はブラック企業が多いってホント?

2021-08-02 17:00:00
ゲームの仕事をしていると、よく『ゲーム業界ってブラックなんですか?』という質問をされます。

ゲームの仕事というと、残業や会社に泊まったりする事が多いイメージがあるのかもしれません。実際、筆者の会社でおこなった会社説明会でも、稀に「ブラックですか?」とストレートな質問をしてくる学生もいたりします。

今回は「ゲーム会社ってブラックなの?」という質問に、ゲーム会社を経営している筆者なりに回答していこうと思います。

本来のブラック企業の定義と若い世代の認識

Wikipediaによるとブラック企業は、「新興産業において若者を大量に採用し、過重労働・違法労働・パワハラによって使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業」「従業員の人権を踏みにじるような全ての行為を認識しつつも適切な対応をせずに放置している企業」を指す言葉として定義されています。

しかし、ブラック企業という言葉が一般化したことと合わせて、SNSの普及等によりちょっとした不満も表に出やすくなり、特に若い世代において「ブラック企業」という言葉の定義もかなり広くなっているように感じます。

基本的には違法行為を働いて従業員を使い捨てるような会社をブラック企業と言いますが、残業の有無や社内制度の不備など勤務中の不満が少しでも出るような会社をブラック企業だと言ってしまっているケースも少なくないように思います。

「ブラック企業」の本来の行為は、会社の成長や利益を強く求めすぎる事により発生しているもので、どの業界でも一定数あるものであり、ゲーム業界でも例外ではないと考えています。

とはいえ、筆者も20年近くゲーム業界にいますが、ブラック企業が特別多い業界であるとは思っていません。特に最近は法整備なども進んできているため、あくまで一部そういうスタンスの会社も存在しているところもある、という認識です。
 

エンタメ企業は労働基準法に合わせにくい

ブラック企業とセットで語られる事の多い労働者を守る法律である労働基準法があります。

労働基準法は、第三次産業、特にエンタメ産業が少なかった時代に作られた法律のため、時間=生産力と考えている法律になっています。しかし、実用性よりも趣味性が高いエンタメ産業は、すべてが時間=生産力とはなりにくく、労働基準法があまり適していないという問題があります。

そのため、よく採用されているのが労働時間をみなすことができる裁量労働制で、誤った運用もされてしまいやすい仕組みの一つです。クリエイティブ職は裁量労働制を適用することができ、何時間働いてもみなしで8時間勤務にすることができるため、本来であれば自身の裁量で労働時間をコントロールできるといった制度です。

ただし、裁量労働制でよく問題になるのは、結果的に長時間労働が常態化してしまっていたり、本人に裁量がなく結果的に残業代を払わないための口実になっているだけというケースもあったりします。

ちなみに筆者の会社では以前は裁量労働制を採用していましたが、裁量労働であっても残業時間の管理などは必要で、正しく運用することが難しくなったため、現在は撤廃しています。

また、ゲームの仕事の場合は、開発であれば各開発フェーズの納期直前などは連日の残業や休日出勤が発生するケースがあります。運営中タイトルであればイベントで休日出勤があったり、不具合が発生した場合は、対応が深夜に及ぶ場合もあります。

しかし、これはゲームというものを事業としておこなっている以上、発生はやむをえないものだと考えています。完成の形に正解が無いため、良いゲームを作りたいとこだわれば時間は足りなくなりますし、早く安心してゲームを遊んでもらいたいと思えば、1秒でも早くトラブルの解消を目指します。

なので、ゲーム業界を目指している方は、残業等は大なり小なりあるものと考えておいた方が良いでしょう。絶対に残業や休日出勤はしたくないという方はゲーム業界には向いてないかもしれません。

問題はこういったケースが発生した際に会社が法律を遵守した対応をおこなっているかどうかです。「ゲームを良くしたい」という想いを逆手に取ったり、代休が取得できなかったり、サービス残業が多くなっている会社も残念ながらあると思います。残業や休日出勤の有無よりも、そのような状況が発生した際の会社の対応を見ておくことが大事かと思います。
 

ブラックかどうかよりも自分に合うか合わないか

違法行為が日常的にあるようなブラック企業は別として、ゲーム企業であれば「ゲームの仕事がしたくて就職する」人がほとんどで、残業そのものは苦にならない人も多いと思います。

筆者の場合、新卒でIT土方をしていましたが、その時は定時上がりでも仕事がつまらなく苦痛でした。しかし、ゲーム業界で働くようになってからは、「より良いゲームを作りたい」「遊んでくれる人に楽しんでもらいたい」といった想いの方が強く、時間は気になりにくくなりました。

実際、漫画家さんやYoutuber、芸人や役者の方などと同じように労働時間よりもその活動やタイトル、作品に対してこだわりを持つ人もいますし、そういう方は労働時間だけを見てブラックとは言わない人も多いです。

特にエンタメの場合は、長時間労働だったとしても会社が命じているケースと上記のように本人が進んで行うケースの2パターンがあるため、同じ環境で長時間労働があったとしても一緒くたに判断できないのが実情です。

また、ブラックと感じるかどうかは企業というよりも所属している組織内の人間関係や価値観の相違によって起こる事が多いものだと思います。会社全体がブラック体質というわけではなく、一部にそういう価値観の人がいてトラブルが発生するというケースもあるのではと思います。会社もすべてを把握しているわけではないので、そういう社内トラブルが発生した際に会社がどう取り組むかが1つのポイントかと思います。

真のブラック企業でなくても、どんな会社でも大なり小なりのトラブルは発生するものです。不満の感じ方、働く事の価値観は人それぞれですし、不満を感じるからブラックだと吐き捨てるのではなく、「不満を解消できる環境かどうか」を確認すべきかと思います。

筆者としては、会社に悩みを打ち明けた際に、しっかり相談に乗ってもらえるかどうかが“自身にとって働きやすいかどうかを見極めるポイントだと思います。

今回の結論としては下記の3つです。

1.ゲーム業界だからといってブラック企業が特別多いわけではない
2.残業や休日出勤は業務の特性上、発生することは多い
3.ブラック企業かどうかではなく自分に合うか合わないかを確認した方が良い


会社説明会等で「ブラックですか?」と聞くのは「違法行為してますか?」と聞いてるようなものなので、相手に大変失礼ですし、会社側もブラックであるというはずもなく印象も悪くなるので、そういう聞き方はしないようした方が無難です。

どんな業界に就職するにしてもブラック企業であるかどうかを知ることよりも、自身の価値観に照らし合わせた上で頑張れそうな会社かどうかを確認するために、可能な限り事前に情報を収集する事が大事だと思います。
 
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ライター : 編集長 長谷川
ゲームドライブの編集長らしき人物です。不定期で攻略記事などを書いています。ゲードラでは記事以外にも見...
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