ゲーム業界の就職において、プログラマー志望の方ならばほとんどの場合企業に提出しなくてはいけない就活作品。しかし、どのような点に気を付けて作るべきか分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、プログラマー志望の方が作品制作で気を付けるべきポイントを2つご紹介します!
ちゃんとプレイできるものを提出しよう!
まず、大前提として
別のPC環境に移しても問題なく起動する状態で作品を提出するようにしましょう。 まさかそんなことと思うかもしれませんが、送られてきた就活作品を起動することができないケースは意外と多いです。起動してタイトル画面が開き、ゲーム終了後リザルトが出てタイトル画面に戻る、という流れがちゃんとできていない時点で、不採用となってしまう可能性があります。
企業としても起動できないものを評価することはできません。もし可能な場合は、
提出用のファイルを他のパソコンへ移動するなどして、違う環境でも動くことを確認しておきましょう。
また、起動はできても、
そのゲームの遊び方が分からないというケースもよくあります。Readmeのような説明書、もしくはゲーム内などで遊び方が示されていない場合、作った本人以外はどのように遊べばいいのか分かりません。初めて遊ぶ人が困惑することのないよう、何かしらの方法で遊び方が分かるようにしておきましょう。
ソースコードは読みやすく!
次に、
ソースコードの読みやすさを意識するようにしましょう。企業でのゲームの開発は基本的にチームで行うため、一つの機能についてもプログラムのコードを複数の人が見たり書いたりすることがあります。そのため、選考の際に企業は、他の人にも分かりやすいプログラムを書けるかどうかをしっかりと見ています。
■現役PGからのワンポイント
応募段階では最低限必要な要素として
・プログラムは処理が読みやすいこと
・設計力 (変更に強いプログラムを組み立てる)
・アルゴリズムの能力 (処理を組み立てるロジック)
開発しているゲームの内容や規模にもよりますが、状況に応じて仕様の拡張が入ることがあります。その際に対応できるような柔軟なプログラムの構造になっているか、プログラムの処理そのものができる限り無駄なく組み立てられているか、変に長い処理になっていないかなども見ています。
応募作品にゲームエンジンなどを使っているケースもありますが、エンジンを使っていてもこれらの基礎的なプログラム言語への理解がどれだけあるかは各企業見ているポイントです。
その基礎をどう使って作品を動かすかが腕の見せ所で、選考の時に重視されやすいポイントと言えます。
そして、ソースコードには
必要最低限、コメントを入れるようにしましょう。コメントをつけてはいるけれど説明不足であったり、肝心なところにコメントがついていないという作品も多く見られます。ただ、コメントが多すぎてもコードが読みにくくなってしまいます。確認する相手のことを考慮し、読みやすさを意識するようにしましょう。
■現役PGからのワンポイント
「コメントをつけよう!」とはおそらく学校や独学で学んでいても目にする言葉だと思います。具体的にどういうことができていればよいか? ですが、
①何をしているか(処理内容)をそのまま書くコメントはいらない
ただし、その機能の「見出し」をつけるのはOKです。
②「どうしてその処理にしたか」の理由を記載するコメントは欲しい
設計の意図を必要に応じて補足するコメントはいいですね
①と②は矛盾するようですが、一例としてUser情報を取得するというプログラムを書いた場合、どこをコメント記載すべきかはこんな風になります。
※あくまでサンプルのため、そのままコードを利用することを想定しておらず、 本記事内ではソースとしての正確性は担保しません。
※「(略)」なんて処理はありません!実装の際には、各人が利用している言語の記述に従い、実装要件に従って 記述を変更してください。
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// User取得 ← これは何をしてるか説明するコメントだが、中の処理の概要として書いてるのでアリ
getUser(id) {
// 全ユーザの中からidが一致するUserを検索 ← 理由を説明してるのでアリ
~~~~(略)
return User; // Userを返す ← これはそのままを書いてるので不要
}
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設計している人の考え方によってももっとコメントが欲しい、あるいは少なくても大丈夫という考え方もありますが、この2点は基本的なポイントとして押さえておくとよいでしょう。
以上、ゲームがきちんと遊べる&ソースコードの作りに関して紹介した作品選考のポイントはあくまで最低限、基本としておさえるべきものです。
中にはこの悪条件とされるものを踏まえていても、使っている技術が素晴らしくて選考を通過される学生さんもいますが、残念ながらそうでないケースのほうが多いといえます。
内容はあくまでも応募のスタート地点に立つためのものですが、意外と守られていない作品が多く、足きりになってしまうポイントでもあるので、
ゲームプログラマーを目指している方は、企業に就活作品を提出する前に、これらの点をしっかりと確認した上で応募するようにしましょう!
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