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2019年版【目指せゲーム業界】イリンクスの社長にインタビュー!【後編】

2019-07-04 12:15:30
こんにちは、ミツヅノです。
久々の【突撃取材!目指せゲーム業界】インタビューシリーズ、引き続き『ガンダムブレイカー3』や『ブラッククローバー カルテットナイツ』などの開発を行うイリンクスさんの後編の内容をご紹介いたします。


前編の内容をまだご覧でない方は、ぜひ前編の内容も併せてご覧ください。

▼▼『株式会社イリンクス』インタビュー【前編】はコチラ▼▼
2019年版【目指せゲーム業界】イリンクスの社長にインタビュー!【前編】
 

入社後、将来どうなる?


引き続き、イリンクスの田中代表にお話を伺います!
 

▲代表の田中氏。プログラマとしてゲーム会社勤務を経てイリンクスを立ち上げ、9期目となる。
 

ミ:話は変わって、現在の会社の皆様の平均年齢はいくつですか?

田中氏:平均年齢32歳ですね。思ったよりそこそこ高めかな?
新卒もとっているのですが、中途も採用しているので、そのせいかもしれません。

ミ:うち20代の方ってどのくらいの割合ですか?

田中氏:37人中17名くらいですね。半分よりちょっと少ないくらいです。

ミ:あ、じゃあ結構若い方も多いですね。
いいですね、若い伸び盛りの方もいて、それを支えられる年長の方も大体1:1くらいでいる感じですね。

そして、今日ぜひお聞きしたかったことが。
事前のアンケートに最近結婚した社員がいるという情報をいただいていましたので、そこをお聞きしたいです。
先輩で妻帯者や子供がいて家庭を持っている方がいることで、「この会社でキャリアを重ねていける」ということが具体的に伝わると思って、本日これは絶対に聞こうと思ってきました。

田中氏:最近一組結婚して……ここ一年くらいで、3組くらい結婚していますね。
最近多いな、ってぼんやり思いました。
スタッフ全体で言うと3割くらいは既婚者ですね。中には、すでにお子さんがいる社員もいたり。

ミ:現代だと、いろんな生き方を選べるので結婚をする以外の選択肢もあると思いますが、いざそれを選びたいと思ったときに選べる環境になっているのはとても良いことだと思います。
ありがとうございます。

ちなみに、新卒で入社した後、何年かたって20代後半を迎えた時には、どんな役割を担当できるようになりますか?

田中氏:まちまちですが、ゲーム業界6~7年くらいになるとメインどころをやっている人が増えますね。
26歳でメインプログラマーになっている社員も居ます。

ミ:ちなみに中途採用とかで、異業種の人が入ってきたりすることはありますか?
その場合、採用にあたって見てるポイントはありますか。

田中氏:見ているポイント……むつかしいですね。
プログラマーの異業種からの入社は結構多いですね。IT業界とか。プログラムを書くというところは変わらないので、ソースコードがよかったらそのまま採用したりしますね。
そのほかにも、ゲームが好きかどうかとか。

デザイナーとプランナーは異業種は少ないかもしれません。

ミ:じゃあ先ほどのPMの方は本当に珍しいケースなんですね。

田中氏:そうですね、ただ、PMの場合は生真面目さだったり、細かいことをめんどくさがらないことだったり、コミュニケーションのうまさだったり、そういうのが才能だったりすると思います。

あ、そういえばデザイナーだとアニメ業界とか少し近い業種から転職してくる人はいますね。

ミ:使っているツールや絵を描いたり、3Dを扱ったりするところは共通しているので、確かに親和性はありそうですね。
▲先ほどの会議が始まる前。PMや各担当パートのリーダーはあらかじめタスクをピックアップしておくなど、入念な準備を行っていた。
 

中途PM小森氏への質問


――――今回、PMである小森 彬弘(こもり あきひろ)さんにお時間を頂戴しました。

▲打ち合わせ直前を捕まえてしまった、プロジェクトマネージャーの小森氏。

ミ:初めまして、本日はよろしくお願いします!ゲーム系のカスタマーサポートから、熱帯魚の販売店までと異業種含めいろいろやられてきたということで、まずは、気になる転職の経緯からお伺いできますか。

小森氏:経緯が結構長いんですよね。
もともと大学の時は、漫画が好きで出版業界を目指していたんですよね。
ある時、出版でゲームの攻略本を作っている会社で校正とかデザインを担当していたのですが、訳あって退職することとなりまして。
その後、大学のころにゲームセンターでアルバイトしてた経験が元になり、ゲーム会社のアミューズメント部門に就職をしたり、前職のゲーム会社のカスタマーサポートをしていたりと、途中で業界を離れている時期はあったものの、おおむねゲーム業界が長かったです。

もともとゲーム自体が好きっていうのもあったんですけど、このままの感じだとゲーム業界の勤務がこの後も長くなるだろうなと思って、カスタマーサポートから、さらにプランナーとか別の職種に着手したくなって、思い切って転職をした次第です。
イリンクスを受けた際に、プロジェクトマネージャーでどうですか?と提示を受けて、自分で役に立てることがあるのならばと思って入社しました。

ミ:ありがとうございます。まだ入社されたばかりと伺ったのですが、開発現場に長くてPMになった代表の田中氏のようなケースとは真逆で、未経験から飛び込んできたところなのでまだ慣れないこともあるとは思うのですが、戸惑ったこととかありますか?

小森氏:まだ慣れていないことはありますが、もうすでに自分でこれはやろうって決めていることはあります。
新人の教育的なフローとか、プロジェクトに新人が来た時に合流しやすい環境づくりや、手順を作るもマネージャーの仕事なので、僕のほうでやらないといけないなと思って取り組んで行こうとしています。
まだ洗い出しからなので、いろいろやることはあるのですが……。

ミ:もう小森さんの中でやりたいことが明確なんですね。経験というより、職業への適性でしょうか。

田中氏:向き不向きみたいなものもあると思いますが、PMの根っこは、人が困っていることに対して解決策を練って、それをフィードバックする、プロジェクトを円滑にするために常に動いていく、というところはカスタマーサポートに共通するんだと思います。

ミ:ありがとうございます。
お打合せ直前のお時間にお邪魔してしまいましたが、お話ありがとうございました。

 

新卒入社プランナー麻田氏への質問


――――さらにもう一人、2019年春に入社した一年目のプランナーである麻田 翔(あさだ かける)さんにもお時間を頂戴しました。

▲先輩に面白い!と認めてもらえる企画を立てられるようになりたい、と麻田氏。

ミ:本日はよろしくお願いします! 早速ですが、就活しているときはプランナーの人だと企画書作りとか、いろいろ考えることも多かったと思うのですが、入社する前後で悩んだりとかしていたことはありますか?

麻田氏:応募している段階では、自分の思っていることをうまく企画書に書けなかったりだとか……あとは、学校だとどうしても人数が少ないから、小規模な企画になってしまうんですが、そういうゲームしか作ったことのない状態で会社に入っても本当にやっていけるのかな、とか。いろいろ考えたりはしてましたね。

ミ:心配があるわけですね、それまで勉強していることが通用するのかなあ、とか。

麻田氏:はい。あとは、もし、ゲーム会社に入れたとしてもそのあとの事ってどうすればいいんだろう?とかいろいろ考えていたのですが……。
先生と話をしたり、学校に実際に会社説明会に来られていたいろんな企業の方のお話を聞いたりとかしました。
その時教えてもらったんですが、学校でやったことももちろん会社に入ってから役に立つこともあるんですが、会社で実際にやる業務については会社に入った後に勉強したほうがいいと。

ミ:そうですね、全部ではないと思いますが、会社の中の環境じゃないとできないこともあるでしょうし。

麻田氏:なので、そこはもう気にせず、就活の時の作品や企画書は作品として完成させることを考えて、「こういうゲームが楽しいよね」と自分なりに考えたゲーム像をできるだけきちんと企画書に落とし込んで、「こういうことを考えている人ですよ」ということが伝わるように書いていました。

出身の専門学校は3年の時にゲーム大賞のアマチュア部門に応募をするのですが、

・その際に作った作品自体
・そのゲームの作品概要
・追加で自分の企画書を3本

これをまとめて就活の際に作品として出しました。
ゲーム自体はチームで作っているものですが、どんな役割でそのゲームを作ったか、どういう遊び方になっているかをわかるように概要をつけてました。

ミ:ありがとうございます。
チーム制作の作品を受け取る場合、企業側で選考をする人間の視点で見ると、ご本人がどんなことを担当しているかわかるととても参考になります。
他にも事前のアンケートで「立場関係なく意見交換しているところ」が入ってみてわかった良いところと記載いただいていますが、どんな時にそう感じました?

麻田氏:自分はプランナーで、プランナーの人たちが集まった席があって仕事をしているのですが、周りの先輩たちのやり取りを聞いていても、「ここってこういう風にしたいんですけど」とプランナー側からプログラマーさんやデザイナーさんに依頼をするだけではなくて意見交換をしていて。
プログラマーさんから「こうしたほうがもっといい」とかデザイナーさんから「こうしたほうがカッコよくなる」と意見のやり取りがあるのを見て、学校にいるときと違うなと感じました。

ミ:みなさん、ただ依頼を受けるだけじゃなくて、その立場からできることを返されているんですね。

麻田氏:学校でやっていた時にはなかったですね。学校の時は僕がプランナーとしてやってほしいことをプログラマーとかに依頼をすると、やってはくれるんですけど、それを本当にその人が面白いと思ってくれているのかがわからなくて、やってみてから「やって面白かったよね」となることはあるんですが、実際にその要素を入れる前に「こういうのはどう?」といわれることは少なかったので……。

ミ:今のイリンクスさんだと、相手からカウンターの提案があるんですね。それはすごくやりがいがありそうです。
週に一回プランナー研修があるということですが、どんなことをしていますか?

麻田氏:今は先輩に企画書を見てもらっています。
毎週中身を見てもらってるんですが、先週「ここはダメだよ」といろいろ指摘を受けたりして、今週はどう作っていこうかなと考えているところです。

ただそこでも、きちんと「こういう部分はいいけどここは合ってない」のように詳しくなんでダメなのか、ちゃんと詳しく理由まで教えていただけるので、すごくいいです。
もちろん、ダメな時には落ち込むけどなるほどな、と思って頑張ろうって思えますね。

今の段階ではまだまだなのですが、社内プレゼンで企画書を先輩たちによかったよ、と認められるようになりたいです。

ミ:最終的には先輩をうならせる企画書を書けるようになりたいですよね……!
最後に、就活前の自分にもし会うことができて、アドバイスをできるとしたら当時の自分になんて伝えますか?

麻田氏:プランナーとして今企画書を書いていて思うのですが、ネタ作りが全然できてないなと。日ごろから遊び方を考えておくであったり、やっぱりゲームの知識が必要なのでもっといろんなゲームをやって知識を蓄えておくことが必須だと思います。
先輩に「このゲーム知ってる?」と聞かれたときに知らなかったりするとそのゲームの説明からになってしまうので、なるべく幅広く知識をつけておく必要があるなと思います。

ミ:お仕事中のところ、お時間ありがとうございました!

 

イリンクスがゲーム作りにおいて大事にしていることは?

ミ:いろんなところでお話しされているかもしれませんが、「ゲーム作りで大事にしているところ」を教えてください。

田中氏:「楽しいゲームを 楽しんで作る」ということを目標にしています。
「楽しいゲームを作る」のは当たり前ですが、そのために徹夜したり家庭を疎かにしたりしないという感じでしょうか。

さらに、「楽しんで作る」ために重要なのはゆとりだと思っています。

ミ:ギチギチの状態になるべくしない、と。

田中氏:ゆとりがないとやっぱり殺気立っちゃうんですよね。
面白いゲームを作るのも、もちろん大事なんですが、現場が殺伐としてしまうと、ゲーム作りが苦痛になり、結果楽しいゲームでは無くなってしまいます。

ゆとりを生むために必要なのは管理・マネジメントです。
管理がうまくいってると、今日みたいな日(取材日は通勤時間帯が大雨でした)に休めたりする。

ミ:記事冒頭の「雨の日に休みにした」だけ聞くと自由だな、とだけ思ってしまう読者の方がおられるかもしれないんですが、そうできるようにするためにきちんとプロジェクトの管理をしてこられているわけですものね。
 

▲大人気のオフィスグリコ。


▲コーヒーメーカー付近にはお茶などのサーバーも。手前に8人掛けほどのテーブルもあり、ここで昼食を取ったり、休憩もできる。


田中氏:あと楽しく作るのに欠かせないのがコミュニケーション。新オフィス内にコミュニケーションが活発になるような場を幾つか用意しています。

移転したかった理由の一つに、前のオフィスが狭かったというのがあるんですよ。狭いのに、椅子と机をいっぱいに入れてしまっていたので、ちょっとしたときに社員同士が話をする場所っていうのがなかったんですね。

新オフィスではコーヒーメーカーやドリンクバーがあるところにだいぶ空間をとってあるので、社員同士がその周辺で立ち話をしたりして、コミュニケーションが自然ととれるようになってます。
あとはゲーム大会とか飲み会とかバーベーキューみたいなものを時々開いていますね。

ミ:飲み会以外にも、以前、恵比寿の時田中さんと社員の方で1対1で個別でランチをやってましたよね?

田中氏:はい、僕の社員とのランチは今でもやってますね。

僕と社員との2人でのランチは、僕がお昼に予定がない日に、順番に社員一人ずつ、ランチに連れて行って、お高めのご飯を食べながら話す時間を取っています。
会社から離れておいしいものを食べながら少し砕けた感じで話すので、最近遊んだゲームの話や趣味の話もありますし、さっきのような結婚しようと思ってますとか、個人的なことを聞いたり、会社への要望や問題などもヒアリングしてます。

ミ:ああ、会社から離れた場所で個人的に話ができるからいいんですね。

田中氏:ええ、こういう話って給与査定面談とかではしづらいんですよね。

ミ:自分が評価を受けている場ですからねえ、あなたの仕事の出来はこうでしたよ、と評価をされているときになかなか自分の個人としてのことは切り出せないですね。

田中氏:ですね。
このご飯自体は僕とスタッフとのコミュニケーション用で、コーヒーメーカー周辺の空間はスタッフ同士のコミュニケーション用ですね。

昔からコミュニケーションと言えば飲み会!なのですが、これだけだと意外と難しいんですよね……

ミ:そうですね! お酒の場がそこまで好きじゃない方もいたり……

田中氏:いつも同じ人同士で話したり、そういう飲み会だけだと解決しない部分の補強用という感じでしょうか。

オフィスグリコなどのおかしコーナーもあるので、何となくみんなが集まって雑談をして、社員同士が仲良くなってくれると嬉しいですね。

 

どういう風にゲームを作っていきたいか

ミ:最後に、ゲームを作る上で今後どういう風にゲーム作りをしていきたいか、目標としていることはありますか?
もうイリンクスさんの場合はすでにほとんど丸ごと一本開発されているとは思うのですが、案件へのかかわり方などこうしていきたいという目標はあったりしますか?

田中氏:会社としていろいろやりたいことはまだありますが、「楽しいゲームを 楽しんで作る」ために、ゲームの開発受託だけでなくディレクションまで関われるようになっていきたいですね。

最近だと「ブラッククローバー カルテットナイツ」はディレクションまで関われた作品なので、ぜひ楽しんでもらいたいです。

ミ:今日は貴重なお時間、本当にありがとうございました。
 
まとめ

今回イリンクスの田中氏へのインタビューは三回目になりますが、ゲーム会社の代表にインタビューする際に熱くゲーム作りへの思いや、コンテンツへの愛を語るタイプの代表も多いのですが、その中において「きちんとその思いや、面白さ作り上げることを完遂させるために」管理に徹底して手を抜かず、手を尽くそうという思想でプロジェクトマネジメントを重視する田中氏の思いが伝わるインタビューとなりました。

各社代表のタイプは様々ですが、開発スタッフが開発に集中できる環境をしっかり支え、社員がそれぞれ取り組んでいるところが分かるカットをこちらに集めましたので、会社の雰囲気の参考にご覧ください。

福利厚生や業務のやり取りの雰囲気は、細かいところでしたが、取材時に社員自身が工夫して取り組んでいるところが見られました。

個人情報もあるので、写真ではモザイクをかけ縮小していますが、各人のPCやモニタの上に職種とお名前が分かるように名札を立てたりと、代表以外の社員側が交流を図れるようにも心掛けている様子が分かります。
 

▲コーヒーメーカー付近に、私設のお菓子基金。


▲冷蔵庫内にデザイナーの社員が設置したお菓子。



▲社内は落ち着いた雰囲気だが、よく観察していると各パート担当がお互いの間を直接行き来して、細かい確認を口頭で取ったりもしている。年長が行くこともあれば、若手が聞きに行くこともあり。

 

▼▼『株式会社イリンクス』インタビュー【前編】はコチラ▼▼
2019年版【目指せゲーム業界】イリンクスの社長にインタビュー!【前編】
 

会社情報

会社名 株式会社イリンクス
代表取締役 田中 宏幸
人数 37名(2019年6月時点)
男女比 8:2
平均年齢 32歳
住所 〒141-0031
東京都品川区西五反田7-9-5 SGテラス4階
最寄り駅 JR山手線、都営地下鉄浅草線 五反田駅 徒歩6分
東急池上線 大崎広小路駅 徒歩3分
代表作 「ガンダムブレイカー1~3」
「ブラッククローバー カルテットナイツ」など
ホームページ http://www.ilinx.co.jp/
SNS等 ・株式会社イリンクス社長blog
・株式会社イリンクスfacebook
ライター : ミツヅノ
不定期にゲームの紹介記事や、特集系の記事で出現する「ミツヅノ」です 普段はスマホのゲームを作ったり運...
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