こんにちは、ミツヅノです。
【突撃取材!目指せゲーム業界】インタビューシリーズ、今回は「企画の専門集団」として活動しており、もともと『いただきストリート』シリーズや『ロードオブヴァーミリオン』シリーズに長年関わってきている上原 利之さんが代表を務める株式会社アッパーグラウンドのインタビューをご紹介します!
※記事のボリュームから前編・後編2本立てでの公開です。前篇を読んで興味を持った方はぜひ後編も一緒にお楽しみください。
▼▼『株式会社アッパーグラウンド』インタビュー【後編】はコチラ▼▼
2019年版【目指せゲーム業界】アッパーグラウンドの社長にインタビュー!【後編】
インタビュイー:
株式会社アッパーグラウンド
代表取締役 上原 利之氏
インタビュアー:
株式会社シフォン
代表取締役副社長 末広幸子(編集部:ミツヅノ)
会社情報
会社名 |
株式会社アッパーグラウンド |
代表取締役 |
上原 利之 |
人数 |
28名(2019年8月時点) |
男女比 |
13:1 |
住所 |
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場4-39-7
ユニゾ高田馬場四丁目ビル6階 |
最寄り駅 |
JR山手線、西武新宿線、東京メトロ東西線 高田馬場駅 徒歩10分
西武新宿線 下落合駅 徒歩10分 |
代表作 |
「【運営中】星のドラゴンクエスト(モンスター闘技場部分)」
「【PC・PS4・AC】フィギュアヘッズ」など |
ホームページ |
http://upper-ground.jp/ |
企画による企画のための会社?
ミツヅノ(以下 ミ):改めて、よろしくお願いいたします!
今日は、フリーランス当時から代表作「いただきストリート」や「Lord of Vermilion」のシリーズで企画・ディレクションを行っていた上原さんが立ち上げ、5年目となる会社「アッパーグラウンド」のご紹介からお願いします。
▲エントランス前で笑顔の上原氏。
上原氏:よろしくお願いいたします!
アッパーグラウンドは、主に企画・ディレクションメインの会社として活動しています。
以前にも記事にしていただいていたのですが、そこから2年たち、人数が増え、企画というザクッとした名前のところから、ゲームデザイン、レベルデザイン、プロジェクトマネージング、ディレクション、という企画職での様々なジャンルの職能がある人たちが集まっています。
ミ:ディレクターとレベルデザインする担当の人だとそれぞれ視点だったり、レベルデザインとマネジメントだとその役割によって必要な職能がまた全然違うので、人が増えて様々部分まで対応できるようになったのは強いですよね。
上原氏:はい、もともと会社を作って今の人数になる前は、自分も一人でフリーランスで働いていて、その頃も色んなお仕事のお話をいただいていたのですが、一人で対応できる範囲の都合もあったりして、当時はお断りをしておりました。
ただ、当時からもっと色々とやってみたいという思いはあって、1人では出来ない色んなことをやるためにも起業をしました。
そこから、企画のお仕事をやらせてもらいつつ、人が増えて今では社員が28名となりました。
オフィスも、今年の2月に移転したばかりで広くなりましたね!
ミ:会議室の机や時計が各部屋でコンセプトがあって設置されていたり、自分たちで設備を拡張したり工夫していくのも楽しいですよね。
▲新オフィスのキリンの間。据え置き型のゲーム機なども。
インタビューを担当させていただいている筆者(ミツヅノ)も運営系の企画職が多い会社に所属しているのですが、アッパーグラウンドさんの環境のように幅広くタイプが違う企画職が多い職場も刺激が多そうでうらやましいです。
過去のお話ですが、2017年に上原さんをインタビューした際に、採用の上でその人の「性格の明るさ」を見ているよということをお聞きして、そこは当時の自分の中ではメチャクチャ画期的な視点でした。
コミュニケーション能力を生かすのに、必要な特性の一つだとおっしゃってて。
上原氏:そうですね。企画職だけではゲームは完成しないので、一緒に働くプログラマーやデザイナーにどんなゲームにするのかということを伝える力も必要なんですよね。
場合によってはいろいろ議論してうまく通らないことがあったりしても、落ち込んだままにならない人がいいですね。
ミ:企画自体がいろんな事情でリテイクされる事も多い仕事なので、落ち込みっぱなしだと先に進めなくなってしまいますものね。
あともう一つ、今回のインタビュー用に事前にアンケートで採用の際の着眼点のお話を改めてお伺いしていたのですが、その人柄の明るさの部分は継続して見つつ、
・ロジカルに考えられているか
・どこが面白いと考えているか
この2点も抑えているかどうかを見ている、というお答えをいただいてましたね。
早速、この辺りから少し、企画職のシビアな現実に踏み込んでお話を伺いたいのですが、この2点は結構難しい部分ですよね。
上原氏:実際、求人の応募を見ていると新卒の方でこれが企画書の中で書けている方は1~2割ですね。
ミ:非常によくわかります。各社応募者の方の傾向の違いはあるとは思いますが、自社の応募を見ている中で、その2つの点をおさえきれている人は2割いたら多いな、と思う感じの体感でした。
上原氏:各地で会社説明会をやる際には、基本的には私が行って説明をしています。
その時に、楽しいこともいっぱいあるけど、先に企画の仕事で必要になる厳しい部分を説明していたりもするので、その時点で本気でやりたい人だけが残っている気はします。
ただ、それでもこの2点を表現するのが難しいのだと思いますね。
ミ:説明会でお話している厳しいこと、というのは例えばどんなことを説明しますか?
上原氏:自分も企画の人間なので、敵じゃなくて僕たちは同じ楽しいことを作りたい仲間なんだよ!ということをきちんと説明します。
そういう前提はありつつ、それでも、「企画職は消去法で選ばれることが多い職業」というところから話をします。
ミ:最初にまず仲間だよ、と伝えて、上原さんとしては受け止める態勢を取るわけですね。
その上で、だんだん厳しいところに入ってきましたが……
上原氏:「プログラムもできない、絵も描けない。でも、何かゲームにかかわる仕事がしたい」となった時に、企画職は消去法で選ばれがちなんですよね。
その割には、大変な仕事なんですよね。
自分では直接やりはしないけど、プログラムのことも絵のことも、ゲームにかかわることは全部知らないといけない。面白いことだけ考えてて終わる仕事じゃないよ、とか。
説明会ではそのあたりのことを説明しつつ、自分たちが普段何をしているか、とか自分の能力を上げるために何をすればいいかとか、そういう話をしますね。
この辺りのことは大体企画の子たちが困っているところだったりするので……。
ミ:そうですね……特に、働く上でPGさんやデザイナーさんが何をどう作っているのか知らないままで知る努力をしないと「簡単に言うなよ」ってなってしまったりもしますね。
上原氏:専門学校とかでもチーム制作があったりすると、スケジュールを立てさせられたり、プロジェクトまとめてみよう、こんな具合の進行管理みたいなこともやってきているケースはあったりするんですけど、新卒で会社に入るまだ未経験の方に対して思うのは、僕はいきなりそういうことをしてほしいわけじゃないと。
「君にいきなりプロジェクトをまとめさせたりとかはしないよ。
あとはこの段階の企画書のゲームを作って10億売り上げられるような内容にならないことも知ってる。
だけど、僕は、『この企画書にどうやると面白いかが書かれているかどうか』だけを見ています!」
という話をしています。
ミ:そのうち数年たって、お仕事で経験を積んだら必要になってくることもあるかもしれませんが、採用を考えるその時点では、その人がどれだけその企画を面白くできるかどうかをシンプルに見ておられるんですね。
上原氏:ええ。そのために、企画書を書く上では、企画書のルールを決めないといけなくて。
ゲームって自由なものなので、企画自体には正解不正解はない。これは絶対ダメ、みたいなタブーみたいなものはあるかもしれないけど、絶対いい、みたいなものはない。
そうなると、その遊びが正解なのかどうかを判断するために、まず最初に
「何をユーザーにさせたいか」を決めて、それが企画書のルールになるんですね。
例えば
「爽快感を味合わせたい」というものがルール=正解になる場合に、遊ぶ人にやらせたいことや、
自分がやりたいこと(手段)がこのルール(爽快感を味合わせたい)に対してあっているかどうかは教えられる。
「企画書のルールを設定すること」これはアッパーグラウンドに来るかどうかにかかわらず、最初に企画書を書く上でやっておかないといけないところです。
あとは、企画書としては書いてあるけど本人と話をして「これって本当に面白いのかな?」って聞くと「どうでしょう……」と引き下がってしまったりすることがあるんですね。
これは、とってももったいないですね。
遊び方などの内容を掘り下げようとして聞いてみようとするんだけど、そこで会話が終わっちゃう。
ミ:おそらく、本人の中では企画書の形にまとめてやり切った、と思っていたと思うんですよね。ただ、質問を受けてみた時に、イマイチ根拠だったりが薄ったり、自身が持てないということに気づいてしまうのかもしれません。
上原氏:ゲームにするには、この後いろんな人を説得しないといけないので、そこは本人が、「こういう風に遊べるよ、だから面白いです!」と確信をもって来れるといいですね。
そのくらい負けない、わんぱくな企画が欲しいです!
そのためには、応募の時点では「こんなのいくら予算があってもできないよ!」というような企画内容でも全然問題はなくて、遊びとして「この部分面白くないですか?!」ということがきちんと書かれているかどうかを一番気にしています。
採用フローと選考について
ミ:次に、採用フローを教えてください。
作品と履歴書の提出を経て、書類選考をパスすると面接となるかと思うのですが、インターンはやられていますか?
上原氏:インターンはやっていないですね。
弊社の場合、面接を二次面接までやっています。
一次が現場のリーダーや他の先輩にあたる企画スタッフと面接をしてもらい、実際に直属の先輩になる立場の人たちから見て一緒に仕事したいか方かどうかを判断します。
その後、二次面接は私と一対一で社長面談をします。
■採用フロー
1)書類選考
2)一次面接(現場スタッフ)
3)二次面接(社長面接)
4)内定
※新卒以外の中途の情報、その他詳細な応募手順については、
こちら のアッパーグラウンドコーポレートサイトの求人情報もあわせてご覧ください。
内定後、翌年の4/1に新卒入社となりますが、1~1.5ヶ月で独自でカリキュラムを組んで、企画の基礎研修をします。
ミ:その研修を経て、アッパーグラウンドの社員としておさえて欲しい基礎部分を網羅するんですね。
上原氏:
実際の仕事からすると本当にごく一部ではあるんですが、ゲームデザイン、レベルデザイン、パラメーター調整など企画の仕事のジャンルごとにそれぞれの授業の担当がいて、新卒社員には企画の工程の授業を一通り全部受けてもらっています。
この入社後の研修が確立していったのもここ数年なんですが、入社して最初にやることで仕事をする上での基礎的な考え方を伝えていけるようになっています。
入社後の企画としてのキャリア
――POINT 企画職、入社後どう成長していくか――
ゲーム業界を目指すにあたって、「自分の考えた面白いゲームを作りたい!」という意気込みで就職してくる方は多いと思います。プランナーとして入社した後、漠然とディレクターになりたい、プロデューサーになりたい……と考える学生さんも多いかと思います。
キャリアプランというと固く聞こえてしまいますが、企画・プランナーで入社した後に経験するお仕事や、入社後の人の成長について上原氏に質問をぶつけてみました。
ミ:特に新卒の場合はまだ仕事もこれからなので、入社時点ではどこに一番向いているかわからないことも多いと思うのですが、入社後はこういう仕事からやる、みたいな決まりや業務の習得手順みたいなものってあるんですか?
上原氏:最初は「プランナー」として入社していただいて、入社後の数年は企画書を書かせたり、レベルを作ってもらったり、運営にかかわってもらったり、企画にまつわる仕事を一通りいろいろやってもらって、本人のスキルを延ばしたり、適性を見ていきます。
ミ:なるほど、企画系とその派生のお仕事は大体一通り全部経験してもらうんですね。
そして、最終的に自然と得意なジャンルの仕事に落ち着いていったりする感じでしょうか。
上原氏:そうですね、一巡していく感じです。
会社に入ったばかりくらいに大体若い人に「なにやりたい?」って聞くと「たいてい自分のゲームが作りたい」ということはみんな言うのですが、そこに至る内容があまり具体的でなかったりすることもあるので、僕たちの会社では実際自分たちがどういうことをやっているかを見せていますね。
あとは、今まさに作ってやり始めているところですが、月に一回程度共有会をしてます。
僕自身はレベルデザインからゲームデザイナーを経て、ディレクションをずっとやってきているのですが、何を考えてそうしているかとか、どんな工夫をしているかとか、月一くらいでスライドを作って持ち回りで社内のスタッフ全員に教える、という取り組みをしています。
ミ:きちんとスライドを作って座学でやられているんですね。
上原氏:役職や役割は割り当てられていて他の人からもわかるけど、実際に「何考えて作っているか」は聞かないと出てこないので、改めてそれを伝えている状態ですね。
ディレクションとかチームのマネジメントも、実際やってみると何人くらいの人数を管理するかによっても優先したほうがいいものとか考え方も変わりますし。
共有会をすることで、若い社員の子だけじゃなくて改めて社内の中間層にも伝えていくようにしています。
ミ:事前に伺ったアンケートだと、最近は中堅~ベテランの層もより厚くなったということを伺っていましたが、間に入られるベテランの方も増えて、上原さん自身のお仕事の仕方もここ数年で変わったりしました?
上原氏:以前は仕様を決めたりするような、深いところまではいっていましたが、今は各案件ともマネージングでは入っているけど、仕様のところは任せてます。
人が増えたこともあって、 リーダー>サブ>若手 のようにチーム内で人のグラデーションができていますね。
今は3分の1が若手、3分の1が30代中堅、残りの3分の1がベテランですね。
創業したての頃はベテラン~若手が1対1くらいだったので、今の人の構成になって業務も任せられる部分が大きくなりました。
ミ:これもとてもいい配分ですね。自分から見て、離れていても5年とか、できればもう少し近くて2~3年、少し先の先輩が身近にいると自分が成長できるかな、という具体的な目標が持てるようになるのかなと思います。
業務面以外で、創業して少し時間がたってきた会社さんに皆さんにお伺いしているのですが、最近はお子さんが生まれたスタッフが増えたり、家族をその会社の中で持てるようになったというような変化ってありますか?
会社の規模とともに、働く人たちも多様化したのかなと思いまして。
上原氏:うちの場合は、もともとの既婚率が高いかもしれません。
30代の社員たちも、割ともうすでに子供がいたりとか。といってもまだ生まれたばかりとか、1~2歳の幼い子供がいるスタッフが多いかもしれません。
ミ:
ありがとうございます。
入社後に社員の方々が自然と成長していくうちに得意ジャンルに落ち着いていくことも多いのかな、と思うのですが、今特にこの系統の企画の人を求めてますっていうのはありますか?
上原氏:そうですね、若い子に関しては最初は漠然と、「プランナー」としてくることを求めています。入社後に一通り経験する中で得意なところも見えると思いますし。
中途の場合だと、会社で用意した仕事ありきではなくて、ご本人が「何をやりたいか」を聞いて未来を一緒に作っていきます。
今の仕事でできていなくても「今後これをやりたい」が会社にマッチしているかどうかを見ますね。
うちなら、企画の領域の事なら会社としてフォローもできるので。
ミ:会社としてフォローアップができるのはメチャクチャ心強いですね。
そして、「一緒に未来を創る」というところがとても素敵です。
上原氏:うちの場合は企画職だったら中に山盛りいるので、他の社員と一緒にその人をフォローアップはできるから、何があっても挑戦していける環境を作りたいです。
自分自身もあんまり「コレしかやらない!」という風に決めていなくて、いただいたご相談もその企画の最初からかかわれて、それでお客さんも自分もワクワクできるかどうか、面白いと思えるかどうかで決めています。
ミ:そういえば、今回事前のアンケートを取った際に有限会社 シンクガレージと現在業務提携をされているということでしたが、これはやはりよりよく企画を実現していけるようにしよう、ということで提携されたんでしょうか。
上原氏:はい、シンクガレージさんとは昨年正式に業務提携をしました。
15人ほどの会社で、デザインやプログラムをメインに活動している会社です。
シンクガレージのメンバーの方たちとはもう僕が会社を立ち上げる前から、いたスト(いただきストリート)だったり、ロードオブヴァーミリオン、あとはフィギュアヘッズまでずっと一緒に仕事をしてきていました。
パートナーさんと一緒にやることで出てくる良さもあるので、全部のラインがそうである必要はないけど、一つはすべて自分たちで作れるようにしておいて、メンバーに会社としてきちんとやり切ったね、って話をできるようにしたいですね。
会社としてのルール作り「みんな仲良く」
ミ:アンケートにあった、「新しく社内ルールを作成しています」というのはどんなことをしていますか?
上原氏:僕がもともと、長いことフリーランスをやっていたところから、何となく僕のやりたいことの規模を大きくして取り組めるようにしたい……というところから、最初は集まったんですよね。
なので、最初のころはあんまり会社らしいルールとかは設けていなくて。
しばらくそれでやってみたんだけど、「あれ?これは無理があるぞ。むしろ僕が無理」ということに気づいて(笑)。
ミ:さらっと笑いながらお話はされているんですが、大事だし、きっと手間がかかった部分ではないかなと思います。
会社って、会社の登記(国への登録申請)をして、同じ場所に人が集まって出勤したらそれで会社になるかというと、それだけだと会社としてまとまりのあるいい感じでは動けなくて……。
そこで会社がきちんとアッパーグラウンドとしてまとまりのある組織になるように、上原さんは社内を整備していかれたわけですね。
上原氏:ええ。リーダーを置いたり、社内で何を重視するかをきちんと決めて言語化したり、ルール化したり。
例えば、「少しでも多くの笑顔を、よりたくさんのワクワク感を」をゲーム作りの上では重視していることで、企業理念でもあります。
これも価値判断の時の基準になったりするので、改めてきちんと言語化していってます。
こうやって言葉にすることで僕だけじゃなくて、みんなも考えるようになって、そうなると「一緒に仕事したい人ってどんな人だろう」とか「何を大事にして若い子に教えたらいいだろう」という考え方のベースになるものが出てくるんですね。
最初はこの辺りの企業理念や考え方も僕だけが言っていたんですが、少しずつ浸透してきて社内のみんなに考え方が伝わって、それで今度は社員の彼らが思っていることも僕のところに上がってきて。社員と、僕と、両方でやり取りをするようになって、それで全員で向きを合わせていってます。
ミ:今「みんなで考えていく」というお話が出ていましたが、その会社の「みんな」として、特に一緒に仕事をしたい人ってどんな方ですか?
上原氏:「明るい人、楽しい人」ここまでは前のインタビューの時も言ってたんですが、言い方が難しいけど、もう一つ加えて、チームや、お客様含めて人の気持ちを思いやれる人ですね。
その延長で、「みんな仲良く」は僕がとにかくずっと言ってる気がします(笑)。
ミ:シンプルな言葉ですが、「仲よく」って仕事上ほど良い感じでうまく心地いい関係を作るのが難しいところですよね。
仲良くなるために、そうするために特別何か気を付けていることありますか?
上原氏:うーん、そうですね。
「仲よく!」に関して、特にすごい特別なことはやってないです(笑)。僕が言ってるだけですね。
ただ、意識的にしてることとしては、先ほどの共有会みたいなものであったりで、外部に出ている社員も含めて月一で全員で集まって顔を見て話をするようにしています。
実は今年の2月に移転した理由も、全員の顔を見て話せるように広い会議室があるオフィスに入りたかったんです。月一の会は、シンクガレージのメンバーの方たちも入れて全員でやっています。
また、リーダーはもう少し頻度が高くて、週1で会議を設けて直接話をしています。
ミ:なるほど、外部常駐のお仕事もあるメンバーも戻ってくるようにして、疎遠ならないようにしているんですね。
上原氏:創業した時より今はだいぶ人が増えた分、一人ひとりの距離が薄まってしまうというか、お互いの間の距離は何もしないでいると遠くなってしまうので、顔を合わせることは大事にしていますね。
僕の性格的にわからないことがあったらすぐ聞いちゃったり、気になることがあったら言いたくなっちゃったりもするんですが、話をするときも緩急をつけて程よい距離感で話せるように心がけています。
それと、週1のリーダー会で話し合っている各プロジェクトの報告や、僕宛に来ている新しい仕事の依頼の話まで、話した内容はすべて議事録化して、全員に対して議事録は全部公開しているので、僕や会社のリーダーの人たちが何を考えているかみんなが見れるようになっています。
ミ:そういうところで、「会社が向かっている先」や次にやろうとしていることを共有しているからこそ、一緒に頑張ろうと思ってもらえるのだと思います。
ありがとうございます。
続いて、今後会社として次に何かこれをやりたい、という目標はありますか?
上原氏:大きく二つあって会社としてのビジョンとひとつ「みんなで向きを合わせていきたい」。
二つ目は、シンクガレージのメンバーの方も同じオフィスに合流してくれたので、自分たちだけで物を作る環境を作る、というところですね。
ミ:両方とも、今までのお話を聞くともうその環境は徐々に整いつつあるのかな、と思います。
上原さんのお仕事の経歴を拝見していると、アーケードゲームやコンシューマーの企画も多かったのだと思いますが、アプリやソーシャルゲームのお仕事もやってたりするんでしょうか。
上原氏:コンシューマーの話もあるけど、会社としてソシャゲの仕事も結構あります。ほかにも、アーケードや、ゲーム以外のコンテンツの企画のご相談も来ますね。
まだ現時点では内容が確定していないものもあるので、詳細はお話しできないのですが、ゲーム以外のエンタメコンテンツで何かできたら……とか、いろいろ考えているものがありますね。
ミ:いいですね!ゲーム以外のものというのもハードウェア上じゃないところで展開できるってことは、また別の試みがいろいろできそうでメチャクチャ楽しそうですね!
上原氏:こうやってワクワクできることを中心に仕事を選んでますね。
儲かるかどうかわからないけど、「これってアリじゃない?」とか、企画の最初からかかわって、自分たちで仕様だったりコンテンツの在り方を決められることを重視していますね。
ものによってはやったことがないような相談とかも来るんですが、考えてみて「このコンテンツは楽しい」とか「これってイケてるよね」……そうやって思えるかどうかを考えてて。
本当に、こういうのだけ考えててお金になるといいんですけどね(笑)。
ミ:新規性が強いものは、面白いけどお金になるまで時間がかかったりしますからね(笑)。
それでもそういうハードルもありつつ、会社の社員の方たちと一緒に取り組んでテンションが上がる案件を探しておられるんですね。
上原氏:ワクワクという言葉にしているけど、そういうことですね(笑)。
僕たちの場合は、来るご相談も最初が割とフワっとしてて「例えばアーケードで新しいゲームを作る」とか。
それ以外は細かいところがあんまりカッチリしているわけではなくて、いろんな提案の余地があったりするようなものが多いです。そういうものに、基本的には最初からかかわって、その信頼があって自由に提案できるようなかかわり方になっていっています。
ゲームって自由なので、 ルールから何から自分たちで作っちゃえばいいって考え方がベースにあって、「こうじゃないといけない」と決めつけられた状態でやるよりは、必要だったら自分たちで作っちゃえ! こっちのほうが面白いよね! というものを常に作っていけるように心がけています。
前半で上原氏からの企画を作る上でのポイントなど重要な要素がすでに続出していますが、続けて入社後の様子や、実際に勤務している社員の声をインタビューした本記事の後編は
こちら からお楽しみください。
▼▼『株式会社アッパーグラウンド』インタビュー【後編】はコチラ▼▼
2019年版【目指せゲーム業界】アッパーグラウンドの社長にインタビュー!【後編】