こんにちは、ミツヅノです。
【突撃取材!目指せゲーム業界】インタビューシリーズ、今回は株式会社アッパーグラウンドのインタビュー後編です。「企画の専門集団」として活動しており、もともと『いただきストリート』シリーズや『ロードオブヴァーミリオン』シリーズに長年関わってきている上原 利之さんが代表を務めるている同社、社員から見た姿はどうなのでしょうか。
前編の内容をまだご覧でない方は、ぜひ前編の内容も併せてご覧ください。
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2019年版【目指せゲーム業界】アッパーグラウンドの社長にインタビュー!【前編】
社員から見た会社・社長の姿
今回は、ベテランスタッフ代表で下茂 敬(しも けい)氏、佐久間 楽人(さくま らくと)氏、新卒スタッフ代表で西留 光希(にしどめ こうき)氏の3名からお話をお伺いしました。
▲左から西留氏、下茂氏、佐久間氏の3名。
ミ:本日はお仕事中、お邪魔してます! 早速よろしくお願いします!
下茂・佐久間・西留:よろしくお願いします!
ミ:実は3名様の中で、下茂さんとは2017年にお会いしていて、2015年からずっとアッパーグラウンドさんにいらっしゃったんですよね。早速ですが、ここ数年でアッパーグラウンドの中で働いていて変わったことはありますか?
下茂氏:企画メインは変わらないけど、仕事の内容は変わってきましたね。前よりも相談が来る案件の種類が増えてきたと感じます。
傾向的にアプリやソーシャルゲームが当初は多かったのですが、IPのあるものだったり、例えばがっつり深くレベルデザイン、VRだったり……。
ミ:次に、今回初めてお会いする新卒の西留さんは、下茂さんと対照的に2019年の4月に入社したばかりだと思うのですが、ゲーム会社に実際はいってみて働いてみて学生の頃そう想像してたことだったり、「思ってたところと違う」と感じたこととかありますか?
西留氏:そうですね……良いところで、「こんなに意見を聞いてもらえるんだ!」と思ったところがあります。
最初は仕事って先輩から「これやってね」って渡されてやるものだと思ってたんですが、それだけじゃなくてそのゲームについてどう思うか自分からもしっかり伝えられるようになっていて、こんなに提案できるんだなって感じました。
ミ:ありがとうございます。
その分、きちんと根拠を求められたりはすると思うのですが、自分の考えたことを具体化できれば実装する余地があるのは楽しいですよね。
続いて、やはり今回初めてお会いする佐久間さんは、中途入社の方だと思うのですが、どんな経緯で入社されたか、お聞きしていいですか。
佐久間氏:もともとずっとプログラマーをやっていて、ある時長くプログラムの現場から離れることがあって、その後にアッパーグラウンドに転職してきて、そこから企画として活動しています。
今は、転職してきて3年ほど経ちました。
ミ:佐久間さんはプログラマーからの転向だったんですね。
ちなみに、事前のアンケートをお三方に取らせていただいたところ、そんな入社経緯や社歴もそれぞれな皆さんですが、共通して書いておられたのは「会社の風通しがいい」というところですね。
それぞれ、皆さんどんな時にそう思いますか?
佐久間氏:そうですね、社長でも、誰でも社内で気軽に話せるところですね。
さっきの西留君の話でも出ていましたが、結構「どう思う?」って聞かれたり、積極的に意見を聞かれることも多いですし。
それもあって、わからないことを聞きやすかったりするのかもしれません。
下茂氏:人柄がそうさせるんでしょうね。社長や上の役職の社員が基本的に、「全部一回聞く」という姿勢でいることもありますし。
佐久間氏:案件でも、ゲームの話でも話しやすいですね。
ミ:西留さんはいかがですか?
西留氏:そうですね、いい方向に転じたギャップなんですが、こんなフラットな会社だと思ってなかった。まだ知らないことも多いので、分からないことがあったら周りの人にすぐ聞けるのがいいです。
会社では僕が一番年下なので、年上の人しかいないけど、あまり抵抗を感じずに聞けるし、分からないことをちゃんと言えます。
ミ:今拝見してても自然とお互いが等分にお話をされているので、お互い話せるように自然となっていってるんですね。
他にお聞きしたいこととしては、中ではディレクションだったり、プロマネだったり、ゲームデザインだったりそれぞれ皆さんの得意領域があるとは思いますが、お仕事の担当ってどんな風に決まっていくんでしょうか。
下茂氏:そうですね、あんまり職業の垣根がある感じではないです。
一応、名刺や担当の際には「レベルデザイン」をする人、とか「ディレクター」という呼び名がつくことがありますが、ゲームデザイナーであっても必要であれば自分でレベルデザインをしたりすることもあるし。
うちの会社でやっているお仕事は、企画のゼロベースのところから始まっていくんですが、基本本人が得意なところを拾ってくれていますね。
新しい仕事が出てくると、社内で「これ興味ある人いますか?」って聞いて、インタビューして社内で人を募って得意な人がいるとその人に頼む、とかそういう風にしてやっていますね。
佐久間氏:そこで手を挙げて、「やりたい」って言ったらやらせてくれますね。
下茂氏:このIP好き!とか、そういう感じで手を挙げますね。
ミ:おおお、そんな感じで興味がある人を募っているんですね。
とても楽しそうです。
その場合、気になるところは人によっては今担当している業務があったりするケースもあると思うのですが、今のお仕事との調整はどんな具合になるんでしょうか。
佐久間氏:うちの場合、この人は完全に「レベルデザイン」とか、そういう感じで固定していないので、うまいこと調整します。
ミ:なるほど! そうか、全員企画で一通り皆さんお仕事をやられているから、流動的にできるというか、お互いに業務をスライド可能なんですね。
下茂氏:そうですね、流動的って言い方があってるかもしれません。
もちろん、「この人じゃないと」というように業務によっては固定のものもあるのですが、タイトルに合わせてそこはうまいことやっています。
ミ:これは、企画だけで構成されている会社の大きな強みですね。
続けてお聞きしますね。会社の一番いいところって何でしょうか。
佐久間氏:いろんなジャンルのゲーム開発に携われることですね。
本当に、いろんな種類の仕事が来てて、時々「そんな仕事までも…!」と思うことがあります。
下茂氏:そのあたりは社長の上原さんの営業手腕によるんだと思います。
来る仕事の内容も、考え方も、凝り固まっていない感じがあります。
ミ:先ほど、上原さんご本人からも「会社としてこの方向しかやらない」みたいな決めつけをしないとも伺いました。特に大事な考え方だと思うのですが「ゲームは自由だ」とおっしゃっていたのですが、一緒に働いている方もそれを感じてらっしゃるんですね。
結構、既存路線にない案件とかが来ると一般的に「えっ、これどうするの?」ってなってしまって社員の方が戸惑うこともあったりすると思うんですが、そうならず皆さん向き合うんですね。
下茂氏:そうですね、ちょっと変わった仕事が来ても、「え、それをやるの?」とはならず、みんなもそこに興味を持って取り組んでいっていますね。
ミ:これは上原さんが面白いと思っている方向性と、皆さんの向いている方向性が親和性があるからいい具合にまとまっていくんですね。
下茂氏:来るものの中には、モノによっては「これって企画の仕事……かな?」と一瞬思うような、場合によっては例えば絵的な話から始まる企画でも、みんなでちゃんとそのコンテンツを盛り上げようと、みんなでそれを話し合って考えて取り組んでいきますね。
ミ:「絵は関係ないでしょ!」みたいな線引きしたりせず、面白さを考えるために一回受け止めてみるんですね。
下茂氏:ええ、一回みんなで話し合ってから答えを出します。
みんなで話し合うのがとにかく多いです。
ミ:多分、これがアッパーグラウンドの特色の一つだと思うのですが、きちんと企画していくときや、仕事の配分していくときに都度「みんなに聞く」「みんなで話し合う」があるところがメチャクチャ民主的ですね。
先ほど、上原さんからも「みんな仲良く」ってキーワードをお伺いしてたのですが、人数が増えてくると会社によっては1人くらい全く話したことがない人がいる、というようなことも起きてる会社もあると思うのですが、多分採用の時点から、アッパーグラウンドさんの中でそうならないように気を付けておられるんですね。
▲今年はいったばかりの西留氏(左)とベテランの下茂氏。
▲下茂氏と、中途入社の佐久間氏。
インタビュー文末のほうでも記載しているが、3名とも先輩後輩関係はありつつも本当に仲が良く、お互いがお互いの発言を受け、リレーするような会話となっていた。
ミ:つづけて、西留さんにお聞きしたいことで専門学校卒業後に入社されたと思うのですが、入社前の、求人に応募している時の自分に一つアドバイスできるとしたらなんて伝えますか?
西留氏:面接の時に上原社長に聞かれて印象的だった質問で「人生で一番楽しかったことは何か」という質問があったのですが、企画や作品だけじゃなくて、人間性や内面も見ているんだな、というのが心に残っています。
あと、入社した後に感じたところで、入社前の自分に伝えたいのは、「お前が見ているのは本当に一部だ。狭いところしか見てないからな」というのを言いたいです。
当時はまだ実際に仕事をやったことがなかったので、井の中の蛙的な部分がありました。
就職をするときには、自分は就職受けする作品しか作らなかったので、そういうものって仕事だとあまり実際には使えなくて、役に立ってなかったな……と思いましたね。
実際に会社には行って見てから、自分が見れる視界の広さを改めて感じましたし、これは学校行ったままだったら全然気づかなかったです。
ミ:そこはもう、実務じゃないと習得できない部分ですよね。
もう一つ、きっと今困ったりもしていると思うのですが、「具体的にこの勉強やっておけ」と伝えることができたら、何をしておけって伝えますか?
西留氏:企画を作る上で、「自分はこう考えたからこのシステムを入れました。こう考えてこの企画を立案しました」というように、「思考のプロセス」をわかるように伝えられるようになっておくこと……これは今会社で先輩たちに企画を見てもらう時にも気にしているところです。
入社前は仕事を振られてやるものだと思っていたのですが、面白いと思う意見を自分からも提案ができるので、「あ、こんなに話ができるんだ」と思う分、だからこそ、ちゃんと考えることは必要ですね。
あとは、英語ですね!
いろんなツールを使ったりもするので、英語が苦手だったりするとまずなんて書いてあるかわからなかったりします(笑)。
ミ:英語はずっとついてきますよね(笑)。
使うツール系は、英語圏でできたものも多いですし。
思考のプロセスが、多分企画の論拠の部分だと思うのですが、そこも「どうして面白いと思ったの?」と言われたときに絶対に必要になるところですよね。
何もないゼロから遊びの形になるまでまとめる能力、それと、先輩の側もその思考のプロセスを聞き取る技量が必要ですよね。
そこは両者の懐の深さがあるんだなと話してて感じました。
下茂氏:実際に耳が痛いところもありますが、先輩の側も、歴戦の猛者たちが質問するから西留君や若手の子たちもロジカルに答えてもらう必要があるんで、両方ともそれなりに大変だとは思います(笑)。
ミ:言う方・聞く方両方体力がいりますよね。
あとは、そのための体力や余裕を温存しておいたり、お互いの案に対して誠実さも必要だなと思います。
西留氏:プランナーはとにかく先輩や、上司からも詰められることが多い仕事なので、「メンタルは強くあれ」ということを上原社長がおっしゃっていましたが、自分でも実感しました(笑)。
下茂氏:せっかく作ったものをどこがいいと思ったの? っていうのを引っ込めちゃうのがもったいないからですね。あとは、あとからじゃなくてその時に、どう思っているか説明できるように理論武装しておいた方がいいですね。
そういいながら耳が痛い(笑)
ミ:自分がプレゼンする側になると、できていない時もあるのですごく刺さります。
ちなみに、皆さんが活発に意見交換をするために気を付けていることはありますか?
下茂氏:上原がそうなんですが、ひとまず一回全部聞くことですね。
それが重要だなあと思っています。これは、上原だけじゃなくて、会社にいる周りの社員もみんな共通してそういう風にしていますね。
佐久間氏:これは「わかんなかったら聞く」に集約されると思っていますね。
「どうしてそういう作りにしたのか」とか、内容でわからないところのある企画が出てきたら、いったん聞いてみて、それから考えますね。
ミ:必ず、一度は受け止めてみるんですね。
面白さに対しても、人の話にしてもすべて「分からなかったら一回聞く」姿勢を徹底しておられるから「こんな変なこと言ったら変に思われるかなあ」なんて気にしてブレーキをかけるのではなくて、思っていることを聞いたり話したりオープンに議論ができるんですね。
他にも、会社のメンバーについての質問で、会社にはいろんなタイプの企画の人がいると思うのですが、おおむね皆さん企画の人は多趣味な方が多い印象ですが、いかがですか?
下茂氏:多趣味……多趣味かもしれませんが、それ以上に必ず一つは、大好きなものがありますね。
たとえば、特撮、ボードゲーム、アイドル……何か一つ、その人の軸になる大好きなものを持っている印象です。
そういうところもあって、仕事の時にも「特撮ならあの人に聞いてみようよ」って実際それで聞いて案件を進めるときに力になったりすることも多いですね。
佐久間氏:
あと、うちの会社の場合は比較的ゲームが好きな人が多いですね。
ゲーム業界も、長くいると会社によっては仕事でやってるとプライベートでゲームやらなっちゃった……となる人も多いけど、比較的みんなちゃんと今でも遊び続けていますね。
そのゲームも、本当にいろいろで、「自分の好きなRPGばっかでそれ以外やらない」とかそういう感じでもなくて、自分の好きなものもやるけど、アプリでも子供向けのコンテンツでも、何かが流行ってたらそれもさわってみたり、時には社員同士一緒に遊んでみたりしています。
ミ:結構皆さんで遊んだりもされて、他の会社の方から仲がいいといわれるように、ゲームという共通の趣味があるからか、割と皆さん同士も距離が近い感じですね。
それ以上に、今回お三方それぞれの立場からお話を伺っていて、本当に皆さんが先輩後輩としての尊重はありつつ、フラットなんだなあというのを強く感じました。
下茂・佐久間・西留:
ありがとうございました!
まとめ
今回は前後編全部企画の人による、企画のためのインタビューとなっていましたが、前編は代表上原氏から見た会社、後半は下茂氏、佐久間氏、西留氏の3名の社員から見た会社の状況や関係性がよくわかるインタビューとなりました。
記事化の際の編集都合で一部お話をまとめたりもしていますが、社員のお三方は本当にごく自然にお互いの話を聞きながら、それぞれが等分にその意見を伝えてくださっていました。
基本的におひとりが話すと、また別の方がそれを受けて話し、またそれを別の方が受けて……とごく自然と話が展開されており、「お互い(の価値観や考え)を否定しない・尊重する」ということが徹底されている様子が出ていました。
こういう「自然と民主的」なやり取りの部分は、直接的に言葉や記事にはしづらい部分ではありますが、記事中で上原氏が語っておられた「みんなで話し合う」「一度受け止めて考えてみる」という姿勢が社員の方それぞれに浸透しているようです。
アッパーグラウンドの企業理念である「少しでも多くの笑顔を、よりたくさんのワクワク感を」という言葉を軸に、「この世にまだないかもしれないけど、新しいものを作る」「面白そうだったらチャレンジし、みんなでそれをバックアップする」ためにはこの先も数限りない分からないことや解決しなくてはならないことはきっとあると思いますが、その時もこうやって全員で話をしながら結論を出していくのだなというところが想像できる、素敵な回になりました。
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2019年版【目指せゲーム業界】アッパーグラウンドの社長にインタビュー!【前編】
会社情報
会社名 |
株式会社アッパーグラウンド |
代表取締役 |
上原 利之 |
人数 |
28名(2019年8月時点) |
男女比 |
13:1 |
住所 |
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場4-39-7
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