
「よそ見する彼氏(Distracted Boyfriend)」は、目移りする人と、その人が気にしているものを写真の人物に当てはめるネットミームです。恋愛の場面に限らず、「やるつもりだったことより、新しいものが気になる」という気持ちを表すのに使われます。
元は、演出して撮ったストック写真
元になったのは、写真家Antonio Guillemが2015年にスペインのジローナで撮影した写真です。2017年8月29日のEL PAÍS・Verneの本人へのメール取材では、仕事として撮ったストック写真だったと説明されています。通り過ぎる女性へ男性が振り向き、一緒にいる女性が驚く場面を写したものです。
同月28日のWIREDのメール取材でも、Guillemはモデルたちと、恋愛関係での不実を遊び心のある場面として演出したと語っています。偶然撮られた浮気の証拠ではなく、撮影のために作った場面です。ゲームの登場人物や、実際の交際関係を説明する写真として読むものではありません。
人物を別のものに置き換えると、意味が変わる
2017年8月の両取材記事には、写真がSNSでミームとして使われていたことが記録されています。Verneは、新しいものを求める気持ちを表す比喩としても紹介しています。ただし、写真を撮った2015年と、ミームの使用が記録された時期は別です。ここでは、最初に文字を付けた投稿者や拡散の開始日までは確定しません。
読み取るときは、振り向く人物を「自分などの主体」、そばにいる人物を「本来向き合うもの」、目を向けた先の人物を「新しく気になるもの」と考えると分かりやすくなります。実際の恋人同士の話ではなく、優先順位が揺れる場面を、人物の配置に置き換えているわけです。
ゲームの話なら、目移りする気持ちのたとえに
たとえば、遊ぶ予定のゲームがあるのに、別の新作が気になってしまう気持ちにも当てはめられます。次の表は、三つの役割を使った編集部作成の架空の例です。実在のSNS投稿やゲームの発表を紹介するものではありません。
| 写真での役割 | 当てはめるもの(編集部作成の例) |
|---|---|
| 振り向く人物 | 自分 |
| そばにいる人物 | 先に遊ぶつもりだった積みゲーム |
| 目を向けた先の人物 | 気になる新作ゲーム |
このミームの面白さは、三人の関係を借りて「つい気を取られる」を短く表せるところです。使うときは、何が主体で、何を後回しにしたのかが伝わる組み合わせにしてみましょう。身近な人の関係を勝手に決め付けるより、自分の迷いをたとえると、意図を説明しやすくなります。
