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Bitsummit前編 個人開発者&おおむね日本国内ゲーム紹介(一部Megabit Conventionあり)

2017-06-01 22:09:00
2017年5月21日22日、インディーゲームの祭典Bitsummitは5回目の開催を迎え、当日の気温もゲームのクオリティも最高潮を迎えたと言っても過言ではない二日間だった。
本稿内ではまだまだ一般のゲームユーザー的には広く知られていない、個性的なゲームが数々送り出されてくるインディーゲームの世界をお伝えしていきたいと思う。
 

そもそもインディーゲームってなに?

読者の方の中にはインディーゲームと言うものを初めて聞く、または聞いたことはあるけどそんなによく知らないよ!という方もいるかもしれない。
本稿内では、前回Bitsummitのご紹介記事でも触れたように、ザックリと「大手の資本などに頼らず、個人または中小規模な会社は独立して作っているゲーム」をだいたいインディーゲームと呼ぶものとしたい。

おそらくみなさまが知っているゲームの展示会というと、年に一度9月に開催されるTGS(東京ゲームショウ)がよく知られているものだと思うが、そちらはコンシューマーゲームの開発・販売各社が主に展示されているが、Bitsummitでは独立系開発によ「インディーゲーム」がずらりと展示されているのだ。

当然大手企業と違って個人や中小企業が独立系で開発していることもあって、宣伝費などが自由にならないケースも多く、CMやWEB広告がバンバン打てるわけではないので、昨年ボトルメール風の仕組みでTwitterのタイムラインを爆発的に専有する勢いを見せた「ひとりぼっち惑星」の例をのぞけば、この場に来て初めて知るような個性的なゲームも多々あるといえる。
 
よって、グッズを作ってゲームのファンを増やしながら、開発費に当てたりというようなことをしている参加開発者も散見された。
実際に宝探しのような気持ちで行ってお気に入りのゲームを探し、さらに本当に気に入ったら直接開発者の方に感想を伝えられたり、購買して支えたりという事もできたりするのだ。
ゲームを買っても普通は開発者や運営している人間との接点はなく、TGSぐらいの規模になるともちろん開発者も底にいる場合もあるが、ほとんど接客専門のコンパニオンさんだったり、多くの直接開発に関わっていない各ゲーム会社の社員も来ているので、ユーザー側から見た接点は薄まってしまうところはあるかもしれない。

基本的にユーザーさんの視点では「遊んだものが面白ければいいよ」が大半の姿勢だと思うが、もしあなたが何かの形でゲームを作ったり関わったりしたいと思うようだったら、ぜひ一度現場に足を運んでみてもらえればと思う。
 

▲「StrangeTelephone」の開発者Yuta氏が当日販売していたTシャツ。

それでは、ここからは当日取材できた各ブースの情報を見ていこう。
 

「ピーポーパニック!」

株式会社ココノヱの開発している、UFOの釣具で人間を地上から制限時間内に吸い上げるゲーム。
プロジェクターで地面にフィールドを映し出して、1人~複数人で釣り竿を垂らすが如く地上という釣り堀から人間を釣り上げるのが目的だ。
プロジェクターで写し、UFOとフィールド上で当たり判定をとっているようなので、プロジェクターを遮ってしまったりすると判定が取れなくなってしまったりするが、とにかく明快でわかりやすいので何人でもすぐ遊べ、楽しめるのはとても良かった。
これに限らず、みやこめっせには多くの子供や家族連れも訪れていたのだが、親子で楽しんでいるご家庭もあったようだ。
 

「人がゴミのようだ!!!」
なお、釣り上げた人の数の多さでポイントが決まるので素早く人類を回収していきたい。


ピーポーパニック!サイトはこちら
 

「あめのふるほし」

「ひとりぼっち惑星」 の開発者であるところにょり氏による新作。
まだリリースはされておらず、今後夏くらいにリリースされるようだ。(梅雨入りと争ってた様子)

前作「からっぽのいえ」はロボットである自分が自分の記憶と引き換えにゲームが展開していくのだが、どう考えてもそこは失っていってはいけない部分の記憶ばかりをなくそうとしてくる。誰とどんな会話したとかそういうのは忘れてはいけないので、どちらかと言うと過去の恥ずかしい体験とかそういうのから忘れさせてほしい。
新作「あめのふるほし」も過去作の「ひとほろぼし」「ひとたがやし」「ひとりぼっち惑星」「からっぽのいえ」と世界観は繋がったところで作られているという。

あめのふるほしでは大きな機械の集める遺言から、また新しい世界が開けることとなるのだろう。
 

「Light~ヨルの採掘鉱」

これに関してはグダグダかくよりは「風ノ旅ビト」とかあの系が好きな人ならぜひ、という一言にまとめてしまいたくなるのだが、個人制作者のざと氏による作品。
暗闇をキラキラ光りながら歩いて行く女のコに何とも言えない空気感があり、つい気になってしまった。
お話を聞くところによればすでに4年ほどお一人で開発をしているそうで、メインイラスト以外のコンセプトアートなどは全てご自身で書かれているという。
もちろん、キャラのモデリングからモーションからプログラムまで何もかも一人…!

見た感じフィールともそれなりに広く、キャラクターが動き回って徐々にフィールドにある手がかりやギミックを通して世界と関わって静かに進行していくタイプのゲームで、バトルや勝敗でドラマを作る(作れる)タイプのゲームでない分、作り込みを丹念に行うには時間がかかるのであろう。

Light?ヨルの採掘鉱 from zato1234 on Vimeo.


漠然と来年くらいには発売できたらいいな、とおっしゃっていたが、首を長くして発売を待っています。
 

「京ゆに」ブース

ブースの中にはなんと1ブースで3つの(3グループの)開発者が共同で出店して参加しているものも。
今回ご紹介する「京ゆに」ブースもまさにその一つだ。

京ゆにサイトはこちら


「京ゆに」自体はもともと「Kyoto x Unity」という言葉を由来にしており、京都周辺のゲーム開発者のためのコミュニティであり、ゲームを開発している開発者と交流することを目的としているのだが、今回はその中から3グループが集まって出展しているということだった。

他にも「太陽人間 / Son of the Sun」「TrapMaster」「おせんたく革命」などが同ブース内で展示されていたが、今回はその中から「サムライ地獄~九天魔城の謎~」にフォーカスしてご紹介しよう。


■「サムライ地獄~九天魔城の謎~」
その昔、おそらく読者にとっては大昔だと思うが「がんばれゴエモン」シリーズという江戸時代&大泥棒石川五右衛門と鼠小僧をモデルにした2人協力ゲームがファミコン時代にあったのだが、その時の楽しさを思い出させてくれる2人協力プレイのターン制シュミレーションゲーム。
「落ち武者」や「火車」などの日本古来の妖怪がワラワラ寄ってくるところをサムライと忍者のプレイヤーキャラクターで協力して倒していくのだが、ボス戦などはもちろん1人でも戦えるようにもなっているのだが、2人プレイだと弱点をついて妖怪が弱っているうちにもう1人が急所を突きに行く、というような戦法も楽しいのだ。
現地の取材でお会いした某ライターさんが「これはカップルで行くといいよ!」とおっしゃっていたがその表現が絶妙で、難易度的にもこれから調整も入ったりはするだろうと思うものの、操作や作り自体もシンプルなので、2人でその場でワイワイやりながら「俺こっち行くから、お前そっち頼んだ!」なんてこともできるだろう。
 
 
▲当日のブースの様子。


▲一旦現在は休止しているようだが、自前でクラウドファウンディングも行われていた。
斬ればちゃんと首が落ちる上、コレクションできる。発売された暁には、ドリ●ターズの豊久ばりに首を回収していきたい所存。

なお、今回「サムライ地獄~九天魔城の謎~」は制作者のHAF-HAF-O-DEN/ハフハフ・おで~ん氏のご厚意で読者プレゼントに落ち武者Tシャツをいただいてきているので、プレゼント企画についてはまた別記事を参考にしてもらえればと思う。

*後ほどTwitteでも告知するよ!!
 

お隣のMegaBitconvention 01からもご紹介

同じ記事内に?!という声も若干聞こえてきそうだが、実はBitsummitの裏側で5/21(日)のみ、みやこめっせの上の階でMegaBitconventionという別のインディーゲームイベントも行われていたのだった。
こちらは個人開発者たちが中心になって開催しているのもあり、どうしてもBitsummitと比べてしまうと小規模にはなってしまうが、それでも30サークルほどの参加があった。

その中から筆者が個人的なお気に入りを2つご紹介できたらと思う。


■「ユーモアとセクシーの融合」ブリーフカラテ
Brief Karate Foolish、Steamでも絶賛発売中だが、まあ読んで分かるよね。
パンイチの男たちがクネクネしながら戦うゲームですが、字面を見てふざけんなよと思った人もいるかもしれないがそれぞれのブリーフ野郎(キャラ)ごとにきちんと特徴を捉えた必殺技があったり、ネコミミはちゃんとネコっぽい動きをしたりと気持ち悪いなと思いながらも対戦しているのを見ていると目が離せない。


この人達めっちゃ顔でてるけど大丈夫かな。この無駄な躍動感。心地よい音楽。



動画内でC.五間誰(カトリーヌごまだれ)が分身しながら襲い掛かってきたりするが、普通の格ゲーとして考えたら全然普通にある系統の技なんだけど、ビジュアルのダメージが大きいため必要以上に強く反撃したい気持ちになる。
あとやっぱ、ブリーフがダメだな(褒めてます)。
普通に負けたくない。

「ブリーフカラテ」サイトはこちら


■可愛さに裏切られるといい!「常世ノ塔」
インディーゲーム開発サークル //commentout (さえばし氏)によるローグライクアクションゲーム。
一見すると普通のアクションゲームのようだが、構造が自動生成になっているということで、個人開発でもいまどきはサーバをいれてできる遊びの構造になっているのだ。
MegaBitconvention時にはあえてサーバ部分は切っており、ローカルで処理をしていたようだが、アクション自体としてもきちんと成立しているので、遊びとしては一通り遊べる状態にもちろんなっていた。

正式にリリースされた際には毎日変わるダンジョンをそれぞれのプレイヤーが攻略し、攻略タイムを競ったり、スコアを競ったりすることができるようになるという。
また、誰かが死んだあとに墓標?のようなものも残せるようになるらしく、このあたりはダークソウルなどで死亡メッセージを見ていた人には想像しやすいだろうがほんのりとしたゆるいコミュニケーションも期待できそうだ。
▲公式のトレイラーから

今後は戦い方の異なるキャラクターも実装していきたいということだったが、ランダム生成のダンジョンの傾向によっては今日は●●が強い、明日はまた異なる条件になるからプレイヤー側も戦い方を合わせていかなくてはいけない、など可愛らしい見た目とは裏腹にかなりのやりこみができそうな感じだった。塔自体も1000Fまで想定している(!)そうなので、ほんの数分でサクサク上がっていけるとはいえ、かなりの遊びごたえになりそうだ。


今回、前半は駆け足で主に日本の開発者のゲームを中心に紹介してきたが、後半では海外のゲームを紹介していければと思う。
それではまた後半でお会いしましょう!
ライター : ミツヅノ
不定期にゲームの紹介記事や、特集系の記事で出現する「ミツヅノ」です 普段はスマホのゲームを作ったり運...

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