みなさん、VR遊んでいますか? 最近では商業施設に体験スペースが併設されていたりもしてVRという物自体がだんだん一般的になってきていたり、すでにPlaystationVR(以下PSVR)を買って手にしているゲーム好きの読者もいることだろう。ただ、その一方で
「まだ体験してないからVRのドコがそんなにいいのか、よく分からない!」という声も一定数あったりするのも事実。
今回はそんな諸兄にこそおすすめしたい、
株式会社ジェムドロップの「ヘディング工場」のご紹介をしていこう!
TGS2016でもインディーブースの様子を交えつつ、代表の北尾雄一郎氏に開発者インタビューに答えていただいていたが、今回は読者諸兄よりひと足早く体験の機会をもらうことができたので内容をじっくり紹介してくぞ!
制作周りのお話はこちらも!→
[取材]TGS2016「ヘディング工場」開発者インタビュー!
(※リンク先の読者プレゼントは終了しました)
漫画家のまめきちまめこさんがTGS2016で体験した記事はこちら→
[取材]TGS2016初参戦!まめきちまめこ先生「ヘディング工場」でVR体験
目次
■「ヘディング工場」の舞台とは?
「ヘディング工場」の世界は、時代も場所も不明だが、美しい天空にある場所でのできごと。
「ヘディング工場」のプレイを始めると、視界は雲と建物の間をゆっくりと進んでいく。また、自分を誘導してくれる砲台のような姿をしたキャラクターがボールをパスしてくるので、この言葉のない世界でヘディングしながら進んでいくのだ。
▲自分をガイドしてくれる砲台風のキャラクター。
▲実際にはこんな感じで、自分を先導してくれる。
そして、今回お伝えしたい重要ポイントとしてはこのゲーム、
ゲーム中で一切言葉をかわすことはないのだが、なんと
「ストーリー」と「エンディング」があるのだ。
(しかもエンディングは複数!)
文字や言葉では時々余分なことまで伝えてしまうことは現実でもまあまああるが、本作ではゲーム中、ボールをパスしてくれるガイドキャラクターに相当する画像の砲台くん(?)らしきものが仕草や音を介してコミュニケーションをとったり、ボールを回してくれることで
ホンノリ何らかの好意や親しみにがあるのかな? などと思いながら進んでいくのだが、その他のこの世界の住民たちも含め、
全員無言なのに、とても人懐っこく、濃密なコミュニケーションをとれたのが印象的だ。
ゲームを進めるごとに、彼らの仕草で
時にはステージを進むためのヒントを貰って助けてもらうこともあれば、
姿を変えた住民の姿に驚くこともあるだろう。
住民である彼らも、またあなたもゲーム内で言葉を発することはできないが、ボールを介してたくさんのおしゃべりを楽しめることと思う。
Headbutt Factory PV - ヘディング工場 PV - #02
さて、ちょっと真面目になりすぎてしまったので、ここからざっくばらんに遊びの話をしていこう!
まず早速遊び方を説明しよう。便宜上、( ゚д゚) 氏を使って紹介したいと思う。
1)ボールが飛んで来るよ!!
( ゚д゚) ←←←(ボール)
2)ソイヤッ
(ノ ゚д゚ ) ノシ(ボール)
※頭を使ってヘディングのみでボールをレシーブ!
3)頭突きでボールを押し返し!
( ゚д゚) →→→(ボール)\キラッ/ 壁
4)HIT!
ヾ( ゚д゚*)ノ _人人人人人_
> 壁破壊 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
こんな感じで、どんどん通路が開けていくので、色んな所にボールを当てて進んでいこう!
※実際、4)はステージ上に幾つかギミックがあるので、ただボールで壁を破壊するだけではなく上手く住民たちを誘導したり、謎を解いたりする要素もある。ここがとても楽しいところなので、ぜひ買った人はよく世界を観察し、自分で道を切り開いてみて貰えればと思う。
編集長「ってお前取材の写真どうした。」
編集長から冷ややかな視線を浴びている気もするが、そんなことは些末な問題と言わざるをえない。
取材時、編集部員一同、すっかり普通に堪能してしまったために記事用の絵面が足りねえんだよ!!!!
もとい、VRを遊んでいる風景を客観的にわかりやすくすると
頭にマスクを被ってる変な人がウネウネしてるような画像しかないんだよ!!
やんぞ!!
無駄にウネウネすんぞ!!(やめろ)
▲前向けよ。
▲後ろにある建物が気になる。
幸い、残っている写真はあんまりウネウネはしていなかった。
実際にはジェムドロップ社の会議室の中なのだが、プレイをしている筆者にはディスプレイに写っているように遠くの雲や空が見えているので、なにもないところで不審に振り向いていたりして不思議な感じはする。
さて、気を取り直して説明していくと本当にシンプルで、プレイの操作としては1~4)たったこれだけ。
ヘディングというとサッカーには自信がありません!なんて人もいそうだが、筆者も学生時代球技に関しては壊滅的な才能を発揮し、むしろドッジボールとか避けるのに特化しすぎて避けそうなレベルに達している。そんな筆者でも全く問題なくプレイできているので全世界の運動音痴の皆様も安心してほしい。(※本作では当たっても痛くないので、思い切って打ち返してください)
▲\キラッ/流れ星のように飛んでいくボール。
なお、「ヘディング工場」ではボールはヒットすると自分の目線の方向に飛んで行くので、サッカー経験者だと「ヘディングしたりボールを蹴り返す時に目線を外せ」というのが鉄則のようだが、素直に飛ばしたい方向を見ておくようにしよう。
女性の場合、「客観的に見て今時分相当髪の毛振り乱してはしたないかしら///」なんて遠慮しておしとやかにプレイしていると上手く飛ばなかったりするので、コツとしてはしっかりとイスや座椅子に座って、頭及び上半身を動かしてもいいように周りの空間を確保してプレイに興じよう。
■VRを遊ぶときの準備
「ヘディング工場」では、頭突きのみで進行するので腕を大きく広げたりするようなアクションはなく、部屋がそんなに広くなくても安心だ。
ただし、頭にヘッドマウントディスプレイをかぶっている間、現実の世界で周りに何があるかは見えないので、本作に限らず、VRをプレイする際にはお部屋をお掃除して空間を確保した上で快適に遊んでもらいたいと思う。
特に足元や、自分の周囲に飲み物や踏んだらあけないようなものがあるとせっかくの楽しい体験が怪我の元になってしまうので、最低限周辺は片付けてから!不安定な場所でやらないのが鉄則だ。
あと、やり始めるとイヤホンからの音と、目の前の映像とできごとに意識を奪われるあまり、おそらくスナック菓子の存在とか思い出さなくなることだろう。
「ヘディング工場」の場合、「プレイヤー自身が自分で視点の変更はするけど、歩いたり走ったりしない、激しい視点の変化があまりない」作りになっているので、基本的に全く酔うことはない。でも、それでもゲーム内でゆっくりスロープを降りていくときなどはかかっているはずのない浮力がかかっているような錯覚を覚えたりもする。
それだけ、人間は視覚による情報に支配されているとも言える。
そんなに大げさな空間の確保はいらないけれど、床に本やナニかを詰んであるなら、そういうものは脇に避け、自分一人分が座って遊べるところを確保して、プレイ環境にはちょっとだけ注意しよう。
その他にも、まだあまり一般に浸透しているとはいえないが13歳以下は年齢制限があったりもするので、導入を考えている人は、ぜひ下記のPSVRの「よくある質問」も合わせて参考にしてみてほしい。
PlayStation®VR よくあるご質問
今回、プレイを交えつつアーティストの増田氏、プランナーの今井氏に話を聞かせてもらうことができたので、開発者視点からも見どころをご紹介しよう。
■「自分のいる位置の上下に異空間を作りたい(増田氏)」
すでに公開されているムービーやスクリーンショットをご覧の方は空と建物の幻想的な美しさはご覧だと思うが、VRにすると良いところはこれが360度見渡せることだ。
ムービーだけだと「すごく高いところ」にいる感じは伝わりづらいかもしれないが、実際プレイしてみると、行先を遮る建物の扉は圧倒的なまでに高くそびえ、また雲の下に向かって鏡合わせのように伸びていく尖塔も遠くにかすむように見える。
▲美しい夕焼け。
PVだと当たり前だが撮影で視点が固定されてしまっているので、せっかく自分の視点でプレイするならときには前方だけではなく、雲を眺めてみたり、後ろを振り向いてみたり、ゲーム中に登場する住民(?)たちにも視線を向けてみてほしい。
そこにはささやかかもしれないが発見が待っているはずだ。
■「変化するBGM」
実は、このゲーム明確に語られることはないのだが、時間の概念があり、昼の青空、夕暮れ、夜等と時間の変化がゲーム中で感じられる。
さらに、プレイを進めていくと情景の変化とともにBGMも少しづつ変化をしていくので、住人の様子と合わせて変化を体感してみてほしい。
■「住民が遊び方を教えてくれることも?(今井氏)」
実際、筆者もプレイをしてみて面白さを感じたところの一つとして、語られないけど静かに進行していくストーリーのところも面白かったのだが、ボールを打ち返す、それを何処かに命中させるというシンプルなアクションも、使うボールの種類やステージの仕掛けによってプレイに変化がつくのだ。
遊びは変化はするけれど、遊び方自体はプレイヤーからするとルールが統一されているだけに、初めて見るステージのギミックなどがでてきても、比較的すんなり進んでいけるのではないだろうか。
実際、今回も普通の人の素の反応でどう遊んでいるか?を見るために、自分を含めたゲードラ編集部員2名+弊社の総務のお姉ちゃんを連れて行った。総務のお姉ちゃんは、VRそのものが初体験だったが、試遊をし始めるや熱中するあまりマスクを被りっぱなしのまましばらくステージを進んで行ってしまい、本人曰く「時間の経過も忘れるくらいだし、全く酔わない!面白い!」と大絶賛だった。
▲何やら意味ありげな四角いブロックが…?
今井氏から貰った貴重なヒントとして、もうひとつ、ステージの途中で住民たち同士のちょっとした寸劇が見られることがあるが、それがステージに仕掛けられたギミックを解くヒントになっていることもあるという。
だからこそ、「観察する」もこのゲームの場合、重要な攻略情報を得るきっかけになるのだ。
■「多彩な住人」
実際、住人関係については増田氏を始め、Twitterでも開発に携わったアーティストの方からも様々な報告が上がっているが、少しユーモラスで可愛らしい姿をしている住民がたくさんいるのだ。
実際に試遊をした編集部一行内での一番人気はナビをしてくれる「砲台くん(?)」だったが、よく見るとみんなそれぞれ表情があるので、お気に入りの住民が見つかることだと思う。
▲形は他のステージに居る住人と同じようだが、動きにも何やら異変が?
※役割や姿の違う住民たちはたくさんおり、ナビキャラの彼は紹介の都合上「砲台くん」とは呼んでいるものの、正式な名称は謎らしい。
ボールを食べてしまう住人。こいつに食われてしまうと、障害物の壁を撃ちぬけないのだ!
(彼ら自体は無機物のようにも見えるが、食事?という概念があるらしい)
魚?トリ? 泳ぐように空を渡る生き物たち。
何もかも忘れてしまうほど楽しいのなら何よりだが、これを見ると住人たちの間にも人間(?)関係がありそうにも見える。
謎の虹色の住民、彼以外にも色んな表情の住民がいるので、出会ったらよく見て観察して見よう。
このあたりのゲームのこぼれ話や、制作のときのラフスケッチなども公式Twitterで公開されていたりするので、入手するまでに待ちきれない人も、実際遊んでみて「ヘディング工場」のファンになった方もぜひこちらの公式Twitterの情報も合わせて楽しんでほしい。
さて、ここまでで「ヘディング工場」の魅力は伝わっただろうか。
映像とBGMの美しさはPVでも見ていただいていると思うが、冒頭の方でも触れた「ストーリーとエンディングがある」ことや、「この世界とボールを介してコミュニケーションをしていくこと」については本稿内で語ることのできない大事な要素がまだいくつかあるのだ。
この先は実際にプレイヤーそれぞれが触れ、それぞれの解釈で楽しんでもらいたいところだが「ヘディングはいいぞ、本当にヘディングはいいぞ」と壊れたガルパンおじさんみたいな反応しかできないのがとても悔やまれる。
「いやー気になるけど、でもまだなんだかよくわかんないんだよね!!それに高いし!!!!」
そう、VRの最大の弱点にして本稿で筆者をさいなんでくる要素として「体感してみないと伝わりづらい」という問題があるが、そこに対してもジェムドロップは自分たちでユーザー向け体験会を開くことで、実際に「ヘディング工場」の面白さを体感してもらおうというのだ。
体験会情報はツィートで3回に分けて伝えられているので、公式Twitterの注意事項をよく読んで応募しよう!
締切は2/28(火)18時! 公式Twitterのフォローも必須なので、興味のある人は直接公式へGO!!
本稿を読んで気になった方、またPSVRを買おうかどうか迷っている方、ゲームは好きだけどVRってなんだかよくわからない方も、ぜひ応募してみよう。
公式サイトはこちら
公式Twitterはこちら
もうひとつ、大事な情報!!発売日の情報をお伝えしよう!
発売日:2017年2月17日(金)
価格:2200円(税抜)
販売はPlayStation®Storeオンライン配信専用となっているので、当日是非チェックしてみてほしい!
冒険らしい冒険や物語は言葉でこそ語られないが、最後までプレイしてもらうことで、おそらく多くの人が自分なりに使命感のようなものを感じる局面が出てきたり、この静かな世界の中で激しく心を突き動かされる瞬間が出てくることだと思う。
とにかく、最後までとにかく見てほしい。
ヘディングはいいぞ。